"水島裕子の映画評MOVIE ON ービーオン"  LaCoocan

■■■ 2021年 vol.1 ■■■

http://cinemaegg.movie.coocan.jp/index.html*スマートフォン対応 メニュー*

■シネマエッグ推薦パソコン  FMV UHシリーズ / AH (win10)シリーズ <使い勝手世界最速!!!>

「アナログ盤」を「JVC WOOD CORNコンポ」で「SONY MP3 WALKMAN」に録音して再生すれば「4K音源レベル」と成ります。

シネマエッグ推薦パソコン FMV UH / AH シリーズ 全4K画面・多重高速通信・画面タッチ書込・他*

*FMV 2021 UH / EH ・ arrows Tab * (2021.1.28 new)

「マイクロソフト過度のupdatedにも安定の」シネマエッグ推薦パソコン最新作「UH」・最新「キーボードTablet」と可愛らしいサイズの「新EHシリーズ」

(富士通国内、レノボ中国工場の中で、最上位機種ブランドと成る「FMVパソコン技術」製品は、マイクロソフトUPDATE15年への対応能力品)

With the product by LENOVO (which the use at schools & AH). FMV which the originally specifications by Fujitsu ! (2018-)

With the product at SHIMANE JAPAN (which the models of UH & some models).

and also "arrows tab "with key board package from an originally unit of Japanet-Takata as very good performances at cafe (B5) !

 "DANCE WITH ME (2019)- OST" it set up into my soundtracks mp3 collection ! IT'S VERY CUTE HER VOICE WITH JAZZ BAND !

■■■■■■■■最新記事順次掲載■■■■■■■

*<<BACK NUMBER (旧型サーバー掲載) 過去7年分の記事 =組み込み完了! (2018.1.7)=>>*

このサイトは最新FMV環境と最新ARROWS環境にて編集しています。

★最新マイクロソフト・エッジ閲覧で「iセキュリティ保護なし」表記について「情報WEB」もしくは「個人データ入力危険」の区分★(2020.7.31)

「当サイト」は「閲覧のみの情報WEB」です。危険とされる「TwitterやLINE等のSNS、クレジット、メール」は伴いませんので引き続きお楽しみ下さい。

★同時動作にはかなり重い最高レベル「ノートンセキュリティ」による「製作・管理」しています★

★私もオレンジの一人、菅日本国首相は「内田百閨vに継ぐ方。是非、内田百(ひゃっけん)の心で正しく導いてくれると思います。

システム管理 シネマエッグ19周年目 編集長・記

■2021■5月・6月■  ■第199回シネマエッグ推薦作 (邦)  いのちの停車場  2021年5月21日(金)〜

>>CINEMA EGG RECOMMEND NEWLY FILM REVIEW : NO.199  "INOCHI NO TEISHABA ("A MORNING OF FAREWELL")「いのちの停車場」を観て<<

■2021■7月■  ■第200回シネマエッグ推薦作 (邦) 竜とそばかすの姫  2021年 7月16日(金)〜

■2021■8月■  ■第201回シネマエッグ推薦作 (邦)  キネマの神様  2021年 8月6日(金)〜

■2021■9月■  ■第202回シネマエッグ推薦作 (邦)  マスカレード・ナイト  2021年 9月17日(金)〜

■2021■10月■  ■第203回シネマエッグ推薦作 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 2021年 10月  日(金)〜

■2021■−月■  ■第---回シネマエッグ推薦作  トップガン マーヴェリック  2021年--月--(金)〜

■2022■−月■  ■第---回シネマエッグ推薦作 (邦)  峠 最後のサムライ  202 2年--月--日(金)〜

■■ 緊急事態宣言・まん延防止 全国規模で発令中 6/1(火)〜全国映画館再開!!■■ (2021.5.31 new)

更新日 2021年6月24日  書評『映画のメリーゴーランド』
角屋清志

映画の「尻取り遊び」の本である。帯の惹句「ヘップバーンを見れば、高峰秀子を思い出す」そのままに時空を越えた映画がディテールや小道具の

連想で繋がれ語り継がれて行く。ウディ・アレンの最近作の大遊園地コニー・アイランドから始まり、やはり同じウディ・アレンが60〜70年代に荒廃

しきった都市と成っていたニューヨークを「おしゃれ」なイメージに一新させた『アニー・ホール』(79)、『マンハッタン』(79)を語って締めくくると言う楽しい

66周である。俳優や監督と言ったありきたりな連想では気付かない小さな発見、ささやかな映画の楽しみをガイドしてくれる1冊である。たかが映画

されど映画である。「木を見て森を見ない」とはマニアを批判するのに良く使われる言葉だが、「細部に神は宿り給う」とも言われる。著者自身が

「あとがき」で述べている様に小さな地蔵さんぐらいは潜んでいる。映画の神に出会って啓示は受けずとも小さな地蔵さんを発見して手を合わせる

だけでも、清々しく心洗われる気分に成れる。テーマや思想に拘っていては味わえない映画の「奥ゆかしさ」に気付かせてくれるリラックス本として

お薦めしたい。

発行・文芸春秋社  著者・川本三郎  定価 1800円+税

更新日 2021年6月24日  最近作『アレサ・フランクリン〜アメージンググレイス』★★☆
角屋清志

半世紀近くの時を経て初めて観客の目に触れる幻の映像である。300万枚を売り上げたライブ・アルバムの音源と成った72年に行われた教会での

ライブは実は映画として上映される様に撮影されていた。監督は当時『ひとりぼっちの青春』(69)等で評価が定着しつつあったシドニー・ポラック。

ポラックは後に『追憶』(73)等でハリウッドの巨匠の一人に成って行く。撮影された映像は、しかし信じられないミスで映像と音のシンクロがほぼ

不可能のまま残される事と成る。以来幾年月、デジタル技術の驚異的な発達に伴い、やっと映像と音声がシンクロしたものとして完成させたのが

此の作品だ。アレサ・フランクリンもシドニー・ポラックも既に此の世の人ではない。率直に感想を述べると期待が大き過ぎたのか、やや物足りない

思いが残った。歌のパワーや聴取のトランス状態等は凄いとは思ったものの映画作品として評価するにはいささか荒削り。音楽ドキュメントとして

後続の『ラストワルツ』(78)、『U2/魂の叫び』(89)、『シャイン・ア・ライト』(07)等には及ばないし、黒人のライブ・ドキュメントとしては先頃UPした

『エルビス・オン・ステージ』(70)のデニス・サンダース監督による『Seoul to Seoul 魂の詩』(71)がメンバーや歌曲の多彩さから言ってもやはり

ずば抜けていた様に思う。そんな訳で☆半分マイナス。

渋谷Bunkamura ル・シネマ・他にて全国ロードショー中

AMAZING GRACE (2018) (訳:「驚きの天性」) (cinema egg)

更新日 2021年6月24日  最近作『アメリカン・ユートピア』★★★
角屋清志

コンサート映画の傑作である。シンプルでありながらシアトリカルに緻密に構成・演出されたステージ・ショーをこれまたシンプルで在りながら

映画的に再構成された映像によって体感させる至福のスクリーン・ライブである。デビッド・バーンとスパイク・リーと言うほぼ同時期の80年代

インディーズとしてスタートし、90年代初頭にメジャーな存在と成った其々音楽と映画の変革者であった2人の初タッグである。あまり接点がなさそう

に思えた2人だが多人種の国アメリカに拘り続けている辺りで意外に近似するものがあったのだ。今やロック・フィルムの古典と成ったと言っていい

バーンの前作『ストップ・メイキング・センス』(84)がほぼ歌曲のみ、ステージのみに視点を定めた構成だったのに対して、本作はバーンのトークと観客

への「いじり」を取り入れたスタンドアップ・コメディの様な構成。当然カメラは随所で客席に向けられる。バーンの歌曲に馴染みの無い、特に映画の、

観客をも巻き込んでいく演出が成されている。更に30年代にミュージカル映画をステージの枠から解放する方法の一つとして「上から撮る」事を

取り入れた「バスビー・バークレー風」のアングルの多用等の映画的テクニックの使用によって『ストップ・メイキング・センス』を凌駕する映画的な解放感

を齎す作品に昇降されている。ショーのクライマックスと成るあの曲は明らかにアンチ・トランプ、BLM(ブラック・ライブス・マター)支持のメッセージが

込められているがトランプ支持者でBLMに懐疑的な僕にさえ、或る種の高揚感を持って伝わっては来た。『ストップ・メイキング・センス』(意味付け

するな)のテクノ的なロックであったはずのバーンが意味付けしているんじゃないかとは思うものの、情念や情熱をそり落した彼の個性や歌唱や

コレオグラフィックが、それを巧く灰汁抜きしていると感じる。タイトルの『ユートピア』の文字が逆さまに成っている様に、パラレル・ワールドのドリーマー

のユートピア願望のメッセージとして受け止めておこう。ステージを降りたメンバーは客席の中を進行して行き、劇場を出て、サイクリストのバーンと

共に街中を解放的に自転車走行する。そこにキャスト、スタッフのクレジットが流れるエンディング迄、快調そのもの。そしてまた劇場へとループする。

そこから僕もループして再度鑑賞したいと思わせる程の魅力ある作品と成っている。21世紀コンサート映画のマイルストーンと成る傑作である。

上半期ベストワンかな。

TOHOシネマズ 日比谷シャンテシネ・他にて全国ロードショー中

AMERICAN UTOPIA (2021) (訳:「アメリカの理想郷」) (cinema egg)

更新日 2021年6月24日  最近作『海辺の金魚』
水島裕子

小川紗良と言う20代の女優の長編初監督作品だと言う事で、先ず興味津々を持った。96年生まれ、06年の初主演作『イノセント15』(甲斐博和監督)

が4カ国の映画祭で上映され、19年にはNHK連続ドラマ『まんぷく』に出演。20年には、本広克行監督の『ビューティフル・ドリーマー』で主演を務める。

また、早稲田大学在学中に、是枝裕和監督に師事し、撮った自主映画3作品全てが映画祭入選を果たしている。そんなプロフィールを読むと、映画界

への新たな期待が沸いて来る。先ず、タイトルが良い。タイトルのロゴの『魚』の文字の四角い部分が泡吹く金魚の絵に成っているデザインも可愛い。

金魚は海では生きられません。鑑賞魚として退化したからです。それでも、私はもう一度海へ連れ出したいと思ったのです。映画の主人公が、私が、

そして貴方が、自分自身の人生を歩み出る様に祈りを込めて。と言う監督のコメントも、多くの意味を含んでいる様で、忘れずにいたい気持ちに

させられる。本作は、監督の身が親善大使を務める鹿児島県阿久根市の全面協力を得て、19年に撮影された。緑と水に囲まれた風景は登場人物達の

心の揺れとは反対に、のんびりと美しい。舞台は、とある児童養護施設だ。様々な事情で親元を離れて暮らす身寄りの無い子供達が集まっている。

18歳の「主人公の花」は、進路に迷いながらも、下の子の面倒や指導員の手伝いもする「しっかり者」だ。或る日、此処に8歳の少女「晴海」がやって

来る。大切そうに大きなぬいぐるみを抱き、誰とも話そうとしない。が、一緒の時を過ごすうち、「花」と「晴海」は打ち溶けてお互い大切な存在と成る。

二人の少女の心の成長譚だ。「花」を演じる小川未祐(みゆ)は、深田晃司の『よこがお』、山本政志の『脳天パラダイス』にも出演していると言う。

私はこの人を観るのは初めてだったけれど、少女から大人へと移り変って行くはかない期間を、才能有る同性の監督にフィルムに収めて貰え、

羨ましく思う。「晴海」役は、現地オーディションによって決められた。カメラマンは『誰も知らない』の山崎裕。オフィシャルスチールは写真家の

川島小鳥だと言うのが嬉しい。

6/25(金)〜 新宿シネマカリテ・他にて全国順次ロードショー

 UMIBE NO KINGYO (as "THE GOLDFISH IN SEASIDE") (2021) (訳:「海辺の金魚」) (cinema egg)

更新日 2021年6月24日  最近作『幸せの答え合わせ』
水島裕子

結婚して29年目。一人息子は成人し、二人で暮らしていた夫から、突然、離婚を求められたら妻はどうするか。

原題は「hope gap (ホープ・ギャップ)」。イギリス南部の海辺の町ミーフォード近くの入り江の呼び名でも在り、こちらの方が邦題よりも意味深で、

イメージが広がる。歳をとってからの離婚は珍しくない。けれど、此のテーマの映画はあまり無いかな。離婚が幸せに繋がれば良いのだが、此処では

そう成っていない様な気がする。それでも観入ってしまうのは、夫婦役を演じる役者のキャスティングが巧妙だからだ。妻のグレース役は、アネット・

ベニング。ゴールデングローブ賞には8回ノミネート、2回受賞、アカデミー賞には4回ノミネートされたと言う。ハリウッドのトップ女優だ。夫のエドワード

には、ビル・ナイ。『ラブ・アクチュアリー』で英国アカデミー賞受賞。英国を代表する演技派俳優で、日本でもヒットした『マリーゴールド・ホテルで

会いましょう』にも出演している。双方とも、名前を見ても直ぐにはピンと来ないものの、経歴を見ていると、主人公から脇役迄、役者として永年生き

延びて来た人だと判る。二人は一度も共演した事がなかったので初共演に喜んだ。だから、此の映画では、そんな二人の演技を是非、注目して

欲しい。監督は『グラディエーター』でアカデミー賞の脚本賞を受賞したウィリアム・ニコルソンだ。自身の両親との実体験に基づく。

イギリス南部の海辺の小さな町で暮らすグレースとエドワードは、もう直ぐ29年目の結婚記念日を迎える。グレースは仕事を引退していて「詩選集」

を作っている。エドワードは教師をしていて「自宅では唯一の趣味で載るウィキペディアへの書き込み」に没頭していた。一人息子のジェイミー

(ジョシュ・オコナー)は、家を出て独立しているが、未だ結婚していない事に両親から心配されていた。或る日、エドワードがジェイミーに電話を

掛けるる話したい事が有るので実家に来て欲しい。数か月振りに会うジェイミーにエドワードが打ち明けた内容は、好きな女性が出来たから

家を出て行くと言う事だった。相手は聖との母親で、既に付き合い始めていると言う。

6/4(金)〜 キノシネマ横浜みなとみらい・他にて全国順次ロードショー

HOPE GAP (2018) (訳:「希望の相違」) (cinema egg)

更新日 2021年6月22日  サントラMP3『ユダ&ブラック・メシア 主題歌♪ファイト・フォー・ユー』
cinema egg編集室

*【 アカデミー主題歌賞受賞 ユタ゜&ブラック・メシア 裏切りの代償 日本語翻訳・和訳】

『Judas and the black messiah』(2021) 『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』(2021) 2021.9.3 日本国DVD初封切り!!

『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』(2021) 主題歌♪ファイト・フォー・ユー 歌詞&訳詞 (正翻訳版)♪ファイト・フォー・ユー (2021.6.11 new)

♪ FIGHT FOR YOU - H.E.R. 日本語・和訳

更新日 2021年6月20日  サントラMP3『ドノヴァン歌唱♪ブラザーサンシスタームーン』他
cinema egg編集室

【 ドノヴァン歌唱 ♪ブラザーサンシスタームーン MP3世界デビュー 】

SONG♪ BROTHER SUN SISTER MOON - SUNG BY DONOVAN  ♪MP3リスト『Page.16』

更新日 2021年6月8日  ネタバレビュー『ミッドナイトスワン』★★☆
角屋清志

劇場公開作品のDVDリリースに合わせてのネタバレビューです。未見の方は鑑賞後にお読み下さい。 以下ネタバレ有。

要するに此れは、一番の元ネタは『真夜中のカーボーイ』(68)ですな。「ミッドナイトスワン」とはゲイバーで定番らしい白鳥ダンスを

踊っている草g剛君の事で彼は結局白鳥として羽ばたく事は出来なかったけれど親類の少女を羽ばたかせたと言う物語。最初の方で

ゲイバーのお客様との会話で「海に行ってみたい」と語る辺りでラストは海辺だと予想したがバスに乗って出かける辺りで

『真夜中のカーボーイ』があからさまに成った。草g君が演技賞貰うのは判るし本当に踊れるらしいあの少女は逸材だと思ったが、

少女2人が怪しい撮影会でアルバイトをしていると言うのは作り過ぎだと思った。世界的バレリーナを目指しているのならそんな

リスキーなアルバイトには手を出さないだろうと思った。此の辺りバレエ業界や少女ビジネス業界をきちんと取材したのであろうか?

後、あの子が母子家庭で育って母親と上手く行っていなかったのなら少女はむしろ父親を求めるのではないかと思ったし、草g君が

父親に成ろうとする展開の方がしっくり来たと思う。単発に成って男性的な職場で働いたかと思うと直ぐ本格的な性転換手術を受けたり

と彼の心の動きが良く解らなかった。あれやこれやで2人の関係性が今一つ得心出来なかったし、あのもう一人の少女は投身自殺って事?

唐突だし安易な作劇に感じてしまった。あれこれ詰め込もうとして上手く収束出来ていないと言う印象が残った。LGBT問題は軽率に

発言出来ないが、此の内容ならLGBT問題等、持ち込まずとも母子家庭で育った少女と親類の駄目おやじの物語としてまとめてくれた方が

僕はすんなり感動出来たと思ってしまった。すまん、古い人間なので。

MIDNIGHT SWAN (2020) (訳:「真夜中の白鳥」) (cinema egg)

更新日 2021年6月4日  クラシック・レビュー『怒りの葡萄』★★★
角屋清志

『ノマドランド』のアカデミー賞受賞が話題と成っているので今更ながら此のホ〜ボー映画の古典的名作をご紹介。ジョン・スタインベックの文学を

発表の翌年40年に映画化。此の時期、監督ジョン・フォードと主演のヘンリー・フォンダは『若き日のリンカーン』(39)、『モホークの太鼓』(39)と

3本続けてコンビを組んでおり、ヘンリー・フォンダはアメリカ民主主義の理念を追求する理想のヒーロー像を打ち立てつつあった。

日本ではフォード=フォンダと言えば何と言っても『荒野の決闘』(46)だが、本国では此の作品が代表作とみなされている様だ。

此の後『ミスター・ロバーツ』(55)でフォードとフォンダは喧嘩別れ、フォンダがフォードを「He was Great Director」と過去の存在としてしまった事を

蓮實重彦が激オコしており、此の作品もいわゆるシネフィルからは軽視されがちだが掛け値なしの名作と言って良いであろう。

日本では戦後の占領政策で長らく公開されず20年遅れの公開と成ったが、62年度の「キネマ旬報」誌のベスト3に選出されている。

ワインが寝かして味わいが深まる様に、半世紀以上の歳月を経て更に深みの増した純粋な味わいがある。『市民ケーン』(41)等の名手、

グレッグ・トーランドによる白と黒のコントラストを強調したモノクロ撮影が美しい。母親と別れたフォンダが稜線の上を歩いて行く大ロングショットは

黒人作家のジェームス・ボールドウィンが「ヘンリー・フォンダには黒人の血が流れているに違いない、あの歩き方は黒人のものだ」と絶賛していた。

THE GRAPES OF WRATH (1940) (訳:「怒りの葡萄」) (cinema egg)

更新日 2021年6月2日  ニュー・クラシック・レビュー『エルビス・オン・ツアー』★★☆
角屋清志

エルビス・ドキュメントの第2弾。1972年の4月の2週間、全米15都市を渡って行われたツアーに密着した作品である。

ゴールデングローブ賞のドキュメンタリー映画作品賞受賞。本作の注目点はマーティン・スコセッシが編集アドバイザーとして

参加している事だろう。此の年、スコセッシはロジャー・コーマン・プロデューサーの元、『明日に処刑を』を掘っており、翌73年

『アリスの恋』の成功で国際的に知られる事に成るが本作や69年の『ウッドストック』の編集に携わりながら鍛えた音楽演出の手腕は

後に『ラスト・ワルツ』(78)、『シャイン・ア・ライト』(07)に開花して行く事に成る。マルチ・スクリーンの多用やエルビスの劇映画の

キス・シーンばかりを繋げた編集等に才気を示している。各都市でのファンの声やツアー・メンバーの仲間意識等、上手く拾い上げて

「愛されるエルビス」を巧妙に演出しており、93分にすっきりとまとまって楽しめる音楽ドキュメントと成っている。

ELVIS ON TOUR (1972) (訳:「エルビスのツアー旅」) (cinema egg)

更新日 2021年6月2日  ニュー・クラシック・レビュー『GIブルース』★★☆
角屋清志

エルビス・プレスリーの主演5作目にして2本目のカラー作品。前作『さまよう青春』(57)後2年間の兵役生活を経ての復帰作品で在り「反逆児」

から「愛される皆のエルビス」へ変貌を告げる大衆娯楽映画と成っている。そしてエルビス映画のフォーマットは此の映画で完成したと言っても

良いだろう。エルビスは此処で11曲歌うが、かつての性騒的な歌唱から落ち着いた歌唱へと変化して上手く灰汁抜きされており、ギターもそれなりに

こなしている。相手役のジュリエット・プラウズはクラシック風とジャズ風の二つのステージを踊り、実際にエルビスが駐屯していたドイツを舞台に

風光明媚な現地ロケーションを取り入れて、音楽娯楽映画としてまずは過不足無い仕上がりと成っている。改めて観ると60年代プレスリー映画は

同時代の加山雄三の若大将シリーズに通じる魅力が有ったのだと思う。惜しむべくはあくまでスターは彼一人で、匹敵する格の有る相手女優の起用を

避け、親しめるレギュラー出演陣を確保しなかった事が後の極端なマンネリ化に繋がってしまった事だ。ここら辺り、やはり悪名高きマネージャーの

戦略ミスであろう。ともあれ、プレスリー映画入門として最適の一遍で有り、かつてエルビスが亡くなった77年に追悼として東京12チャンネルで

放映され、映画評論家の小森和子と「和製プレスリー」としてデビューし、後に、アニメ・ソングの帝王と成った歌手ささきいさおが対談していた事を

懐かしく思い出した。

G.I. BLUES (1960) (訳:「GIジョー下士官兵殿の憂鬱歌」) (cinema egg)

更新日 2021年6月2日  ニュー・クラシック・レビュー『エルビス・オン・ステージ スペシャル・エディション』★★☆
角屋清志

エルビス・プレスリーが1970年に行ったラスベガスでのショーのドキュメント。稀代のエンターテイナーとしてのエルビスの姿を捉えて楽しめる映画だが

スペシャル・エディション版は劇場公開版110分より短い95分にまとめられており、僕としてはステージに上がる迄の神経質な姿をも捉えた劇場公開版

の方がより素顔のエルビスに肉薄して感銘があったように記憶している。やはりこちらは悪名高きマネージャーや取り巻き達の望む「作られた」エルビス

として仕上げられているのではないかと言う印象が残った。出来れば両方のバージョンを収録して欲しかった。監督デニス・サンダースは翌71年には

『SOUL TO SOUL 魂の詩』も有り、ブラック・パワー炸裂の作品で音楽映画で名を馳せるかと期待させたが2本のみ残して消えてしまった。

『SOUL TO SOUL 魂の詩』もブルーレイをリリースして欲しい。そして後の2本のエルビス・ドキュメント『エルビス・オン・ツアー』(72)、

『ジス・イズ・エルビス』(81)を改めて鑑賞して、エルビス・プレスリーを再検証したいと思っている。

ELVIS ON STAGE (1971) (訳:「ステージのエルビス」) (cinema egg)

更新日 2021年5月31日  80年代映画レビュー『ロジャー・ラビット』★★★
角屋清志

アニメと人間の俳優との共存・共演を全篇に渡って行った初めての映画である。此れ以前にも主にミュージカル等で部分的には在ったが此処まで徹底させた作品

はなかった。そうした意味で先駆作で有り、近年の『トムとジェリー』や『ピカチュウ』の実写版も此の作品の成功がなければ実現していなかっただろう。1947年の

ロサンゼルス、アニメ・キャラが住む「トゥーン・タウン」が人間と共存していると言う設定で、人間の私立探偵がそこで起こった事件を捜査すると言うハードボイルド

探偵物のパロディで全篇のモラルやコードも検閲の厳しかった此の時代を踏まえて作られている。意外に大人向き・通好みの映画である。原題は『誰がロジャー・

ラビットをはめたか』と訳せば良いか。罠にはめると(アニメの)枠にはめるのダブル・ミーニングである。88年には既にCGが猛威を振るっていたが、CGは使用せず

全て手書きのアニメで陰影や濃淡を加えて立体感を出しながらも平面感も残した画面作りにはオールド・ファンとしては愛着が湧く。クラシックな劇伴奏にジャズ的な

即興を加えた音楽も健闘している。「トゥーン・タウン」ならではの謎解き(!?)も有るし、久し振りに再見して大いに楽しめた。ロバート・ゼメキスは『バック・トゥ・ザ・

フューチャー』シリーズ(85〜89)や『フォレスト・ガンプ』(95)が有名だが、メッセージ性抜きで遊戯とエンターテインメントに徹した本作を忘れてはならないだろう。

余談ながら意訳ながら「結んで開いて」等、日本語訳も良好であった。

WHO FRAMED ROGER RABBIT (1998) (訳:「誰かに、はめられた、ロジャー・ラビット」) (cinema egg)

更新日 2021年5月31日  ニュー・クラシック・レビュー『脱走山脈』★★★
角屋清志

『羊たちの沈黙』(92)以前はハンニバルと言うと此の映画だったと言う話を少し年長の映画ファンから聞いた事はあったし、フランシス・レイによる主題曲にも

親しんでいたが実は今回初めて鑑賞した。イギリス時代のマイケル・ウイナー監督による68年度作品。主演は野獣派のオリバー・リード。ハンニバルと言うのは

紀元前にローマと戦った兵士で象に乗ってアルプスを越えたのだそうだ。本作はその伝説・神話を第二次世界大戦に蘇らせた一種のファンタジーとして楽しむ

べきだろう。ドイツ軍の捕虜に成ったイギリス人兵士が動物園に送られ象のルーシーの担当と成る。戦局の変化に伴い象の移送を命じられ、料理系の女性が

同行する。此の女優が魅力的でないのが難点だと感じたが観終わって的確なキャスティングだったと納得した。戦時中だと言うのにでかい象が、のんびりと田園風景

の中を歩いているのには何ともほのぼのとした気分にさせられる。ところが象をいじめるドイツ兵を殺してしまった事から冒険サスペンスの風味が加わって来る。

象を連れてアルプスを越えてスイスへ逃げようとするのである。普通ならあんなでかい物連れずにとっとと人間だけで逃げれば考えるのだろうが、前半部分で象の

ルーシーとの交流が巧妙に描かれているのでとても捨てて行けないと言う気持ちにさせられる。脚本も良く書かれていると思う。だが知り合いの脱走したアメリカ兵が

ゲリラを指揮して行く先々で鉢合わせ、旅をピンチに追い込む。此のアメリカ兵が『俺たちに明日はない』(67)で知名度を上げたマイケル・J・ポラードで良い味を

出している。全篇、笑いとユーモアとサスペンスを絶妙にブレンドさせながらラストの断崖絶壁の関所破り迄、大いに楽しめた。あのオリバー・リードが動物好きの

優しさを見せる辺りのキャスティングが奏功していた。無論、戦争映画だから殺し合いは有るが残酷さは無いし、セックス・シーンも有るには有るが、裸でじゃれ

合ってむいる程度の描写だし(乳首は見えなかったはず)、ファミリー・ピクチャーとしてお薦め出来るのではないかと思った。反戦映画、動物愛護、60年代的な (!?)

自由への希求や脱出願望等を盛り込んだ良作でありました!(笑がお)

HANNIBAL BROOKS (1968) (訳:「♂ハンニバル・ブルックス」) (cinema egg)

更新日 2021年5月24日  最近作『海辺の家族たち』
水島裕子

ずっと少しだけ気に成っていた。自身が生まれ育ったマルセイユを舞台の中心とし、労働者階級や移民等の社会問題を問う、

ロベール・ゲディギャン監督。妻で女優のアリアンス・アスカリッドを主演に『マリセイユの恋』、『キリマンジャロの雪』と言ったヒット作が

在り、世界三大映画祭常連のベテランだ。『マルセイユの恋』のフランス映画祭公開時にその存在を知り、たまたま時間の都合で

観る機会が無いまま20年以上が経った。本作も、ヴェネチア映画祭のメイン・コンペティションで上映されたと言う。2017年作が今年

の日本公開に成るのはコロナ渦だからなのだろうか。監督にとっての映画人生40年の集大成と成る傑作と言われている。

観る者の好みや事情を問わず、「映画って良いな」とシンプルに感動させられる作品に久し振りに出会った。

何時以来かと言うと、2005年のコリーヌ・セロー監督作『サン・ジャックへの道』を観た時だ。その事が直ぐに思い出せたのは、

どちらもジャン=ピエール・ダルッサンがメイン・キャストで出演しているからだ。彼の出ている映画はだいたいどれも良いのだけれど。

『サンジャッフへの道』の時には通っているフランス語学校の仲間達に勧めて大好評を得て嬉しかった思い出が有る。

マルセイユと言ってもガイドブックに載る様な場所は登場しない。美しい入江を持つ小さな町。かつては別荘を建てる人で賑わっていたが、

今では寂れかけてする。入江の中心に在る海辺の家のテラスで老人が眠っている。その父との最期の日々を過ごす為に3人の子供は

集まる事にする。パリに住む人気女優のアンジェルが帰郷するのは20年振りだった。或る事件がきっかけで父親と確執が生じてしまっていた。

上野兄(ジェラール・メイラン)は地元で家業の小さなレストランを継いでいる。下の兄(ジャン・ピエール・ダルッサン)は最近リストラされた。

若い婚約者を連れて来るが、2人はどうも上手く行っていない様子だった。3人が集まったのき、一人暮らしの父が、突然倒れたからだ。

意識は有るものの、コミュニケーションが取れない。家族の思い出の詰まった「海辺の家」をどうするのか。それぞれの過去や現状も含めて、

問題は山積みだ。そんな或る日、兄弟は入江に漂着した3人の難民の子供を発見する。

緊急事態宣言・全国・発令中 & まん延防止地区による延期が有ります。

5/14(金)〜 キノシネマ横浜みなとみらい・他にて全国順次ロードショー

LA VILLA (2016) (訳:「別荘」) (cinema egg)

更新日 2021年5月24日  最近作『ジェントルメン』
水島裕子

ガイ・リッチー監督の新作だ。"一流の紳士(ワル)たち"と銘打たれた本作は、草やかでスリリングでユーモアも忘れない男達の群像劇だ。

主人公のマチュー・マコノヒーをはじめとして、チャーリー・ハナム、ヘンリー・ゴールディング、ジェレミー・ストロング、コリン・ファレル、

ヒュー・グラントと実力派達が新境地を開いているのも見所だ。スティングの娘エリオット・カムナーも印象的な役で出演している。

『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、『スナッチ』以来、監督が地元ロンドンのクライム・ワールドに帰還と有るが、確かに

デビュー当時の監督らしさが有り、更にバージョンアップしている気がする。イギリスはロンドンの裏社会を舞台に総額500億円に及ぶ大麻ビジネス

の利権を懸けた争いを描く。最初のシーンが予告映像に成っているのが話題に成っているそうだ。マリファナ王ミッキー(マシュー・マコノヒー)

の背後に銃を持った男が忍び寄り、銃声と共にグラスで血が染まる。私は予告を観る前に本編で此のシーンを観たのだけれど、衝撃と共に続く

シーンに目が離せなく成った。ロンドンの暗黒街に或る噂が流れる。一代で大麻王国を築き上げたマリファナ・キングのミッキーが、総額500億円と

言われる大麻ビジネスを全て売却して引退すると言うのだ。それにあやかろうと悪だくみをした男達がミッキーに群がる。強欲なユダヤ人大富豪、

ゴシップ紙の編集長、ゲスな私立探偵、チャイニーズ・マフィアに、ロシアン・マフィア、下町のチーマー達迄もに狙われる。「紳士たち」に絡む女優は、

ミッキーの妻役のミッシェル・ドッカリー。イギリスの女優、歌手で在り、2010年から2015年にかけてのテレビ・ドラマ・シリーズ『ダントン・アビー』のメアリー

役で知られる。なので本国では知名度が有るのだろうが、美貌か人工的に見えて、血の通っていないアニメの人の様だ。先月紹介した

『ビーチ・バム まじめに不真面目』に続き主演作が続くマチュー・マコノヒーは、コロナ渦、こんな時代のヒーローなのだろうか。注目したい共演者は

ヒュー・グラントだ。『ノッティングヒルの恋人』(1999)の頃とは違うキャラクター変貌に成功している。脚本も面白く、和牛を「わぎゅう」と言ったりする。

緊急事態宣言・全国・発令中 & まん延防止地区による延期が有ります。

5/7(金)〜 TOHOシネマズ日比谷・他にて全国順次ロードショー

THE GENTLEMEN (2020) (訳:「紳士達」) (cinema egg)

更新日 2021年5月 5日  名曲『タイタニック愛のテーマ』
cinema egg編集長

2021.5/7・14 金曜ロードSHOW・新吹替版記念!・再掲載 真のメッセージソングをお読み下さい。

「タイタニック」主題歌・歌詞&訳詞 タイタニック愛のテーマ MY HEART WILL GO ON (正翻訳版)

更新日 2021年5月 1日  書評『大統領とハリウッド』
角屋清志

2019年発行なので新刊ではない。書店でも映画本のコーナーには置かれていないので存在を知らなかった。新書や文庫オリジナルの映画関連本は

映画書のコーナーに置かれていない事が良く有る。以前取り上げた瀬戸川宗大の「世界の戦争映画100年」もそうだった。蓮實重彦の「見るレッスン」

(光文社新書)はさすが大御所だけに何処の書店の映画本コーナーにも置かれていたが。そんな訳で映画ファンでも本書を知らない人が多いと思うの

で、ご紹介したい。1915年映画史上最大の難物と言われる『国民の創生』にリンカーン大統領を登場させて以来、ハリウッド映画は実在・虚構を合わせ

て様々な大統領像を描き続けて来た。そうした様々な大統領像、様々な作品を通じてエンターテインメントと政治が融合した国アメリカを考察した本で

ある。定番の「名作」から知られざる「迷作」迄、日本公開・未公開合わせて250本以上を紹介。更にケネディからトランプ迄の歴代大統領がどの作品を好み

鑑賞して来たかも教えてくれる格好のガイドブックである。そうしてアメリカは映画俳優が大統領に成ってしまう程、映画と政治が密接に結びついて

おり、政治が一大エンターテインメントの国でもある。映画を知らなければアメリカ政治は語れないと迄、断言したい程だ。

そうした意味で本書は映画ファンは勿論、映画に然程感心の無い、しかし政治好きの人にこそ必読とお薦めしておきたい。

発行・中公新書  著者・村田晃嗣 (あきつぐ) 定価・860+税

更新日 2021年4月29日  未公開80年代映画『真夜中のミラージュ』★★☆
角屋清志

1984年度作品。製作国フランス、製作アラン・サルド、アラン・ドロン、撮影ジャン・バンゼ、音楽ローラン・ロッシ、監督・脚本ベルトラン・プリエ、

出演アラン・ドロン、ナタリー・バイ、他。 カラー、ヴィスタ・サイズ、上映時間110分。

1960〜1970年代にジャン・ポール・ベルモンドと人気を二分したフランスのトップスター、アラン・ドロンが、脇役から主役格へとキャリア・アップ

したばかりのナタリー・バイと共演した奇妙な味のメロドラマ !?  タイトルやジャケットからラブ・サスペンスを連想させるが、そうではなく、ドロンが

列車で出会った謎の女ナタリー・バイに翻弄されると言うシュール・レアリズムを狙ったかのコメディのつもりなのか良く判らない珍品である。

ドロンはアル中で缶ビールばかり飲んでいてビールでアル中になるんかいと突込みを入れたく成るし、終始ドロンとした目をしていて、およそ格好良く

はない。 一応エッチはしている様だが、そのシーンは無いし、そもそも女性のヌードが無い。男と女の痴話話の割にはやたらと無駄に思える登場

人物は多いし無名時代のジャン・レノも出ています。 ナタリー・バイが1人何役かを演じて現実と妄想と夢が交錯すると言う構成なのだろうが、少し映画

を見慣れた者ならば、およそ予測の着く結末へ辿り着く。 女遊びを続けて来て映画の中での女性の存在な扱いから女性差別主義者とも言われて来た

ドロンの贖罪の映画とでも思えばいい、か?  「映画応援男」の僕としてはつまらなかったものは取り上げないが、基本ポリシーだが、敢えて取り上げた

本作でドロンがセザール賞の主演男優賞を受賞しているからだ。 長年ドロンを冷遇して来たフランス映画界の贖罪であったのかも知れない。

ともあれ優れた俳優で在りながら演技的に評価されて来なかったドロンの唯一の勲章であろう。そして何故かアル中を演じると演技賞を貰えると

言う映画界のジンクスを証明する事と成った。そこで一つ提案、ライバルのベルモンドは昨年開催された「傑作選」が好評で間も無く

「傑作選2」が開催される。次は是非「アラン・ドロン傑作選」もお願いしたい。

取り敢えず、僕としてはアメリカ時代の『泥棒を消せ』(66)とミレーヌ・ダルクとの初共演作『ジェフ』(68)辺りをリクエストしておこう。

どちらも未見。演技賞受賞作品と言う事で☆半分オマケ。

NOTRE HISTOIRE (as "OUR HISTOIRE") (1984) (訳:「私達の歴史」) (cinema egg)

更新日 2021年4月26日  2021 第93回アカデミー賞受賞・主要一覧
cinema egg編集室

■作品賞■
『ノマドランド』

■監督賞■

『ノマドランド』

■脚色賞■

『ファーザー』

■脚本賞■

『プロミシング・ヤング・ウーマン』

■国際長編映画賞■

『アナザー・ラウンド』

■長編アニメーション映画賞■

『ソウルフル・ワールド』

■作曲賞■

『ソウルフル・ワールド』


■歌曲賞■

『ユダ・アンド・ザ・ブラック・メサイア』〜♪Fight For You 貴方の為に闘う (歌唱) H.E.R.

「ユダとブラック・メサイア」ファイト・フォー・ユー (H.E.R.)●サントラ盤● ♪ 貴方の為に闘う♪MP3リスト『Page.21』

"♪ FIGHT FOR YOU " from "JUDAS AND THE BLACK MESSIAH" (2020)  - SUNG BY H.E.R.- SOUNDTRACK

*【 アカデミー主題歌賞受賞 ユタ゜&ブラック・メシア 裏切りの代償 日本語翻訳・和訳】

『Judas and the black messiah』(2021) 『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』(2021) 2021.9.3 日本国DVD初封切り!!

『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』(2021) 主題歌♪ファイト・フォー・ユー 歌詞&訳詞 (正翻訳版)♪ファイト・フォー・ユー (2021.6.11 new)

♪ FIGHT FOR YOU - H.E.R. 日本語・和訳

劇中オスカー主題歌を歌った歌手達CINEMA EGG 2周年記念記事〜+最新受賞歌曲   ♪MP3リスト『Page.16』

発表・・・2021年4月26日

更新日 2021年4月26日  ニュー・クラシック・レビュー『グライド・イン・ブルー』★★★
角屋清志

アメリカン・ニューシネマ末期に作られた知られざる傑作である。1973年度作品。世界的な反体制の熱気が終焉した後のシラケ気分を

反映したかのポリス・ドラマだ。ロック・バンド「シカゴ」のプロデューサーであったジェームス・ウィリアム・ガルシアの唯一の監督作品だ。

公開当時は映画会社や観客が期待した反体制やふんだんに使用されるロックと言う要素が少なく主人公が体制側の白バイ警官であった

為か「右翼的」・「ファシスト」と叩かれてしまった様だが、当時若干28歳であったと言うガルシアは確かな演出手腕でプロの映画だと

感じさせる。それもそのはず彼の祖父も父も映写技師で彼はジョン・フォードの信者でも在ったのだ。フォードが亡くなった73年に此の映画を

作ってしまった辺りに今にして思えば感慨深いものがある。当時そうした情報が入っていれば蓮實重彦あたりは確実に擁護していたのでは

なかろうか? 時代と行き違ってしまった為にガルシアの監督作品が此れ1本で終わってしまったのは何とも残念であった。裏『イージー・ライダー』

として再評価して欲しい映画である。撮影は『明日に向って撃て!』(70)の名手コンラッド・ホール、『明日に向って撃て!』のリリカルな画調とは

異なるグルーミーな画調でフォード・テリトリーのグランド・キャニオンを切り取っている。タイトルのブルーは警官の制服の色や青空の他に憂鬱の

意味も含まれている。言わば『イージ・ライダー』が反体制の側から描いた「アメリカの夢の終わり」を体制側から描いた映画だと言えるのでは

ないだろうか。ラストの大ロングでカメラが引いて行く演出や讃美歌の様なコーラスの使用法等、見事なものである。主演のロバート・ブレイクは

以降活動の場をTVに移し、2002年の事件で消えてしまったし、他の出演者もほぼ無名だが、知る人ぞ知る名脇役エライシャ・クックの起用法を

始め、本当に映画を判った人間が作っていると感動出来る「通好み」の映画と成っている。忘れさられてはならない作品である。

「HE'S A GOOD COP... ON A BIG BIKE... ON A BAD ROAD」 (訳:「彼は善良な警官...大型バイクにまたがり...悪者路を行く」)

ELECTRA GLIDE IN BLUE (1973) (訳:「青空の下を滑走する刺客神エレクトラ」) (cinema egg)

更新日 2021年4月26日  最近作『ビーチ・バム まじめに不真面目』
水島裕子

ハーモニー・コリンの最新作だ。十代の頃から脚本を書き始め、ハリケーンの被害を受けた街の不安定な住人を描いた悪夢がドラマ『ガンモ』で22歳で

監督デビュー。その前にラリー・クラーク監督の『KIDS/キッズ』の脚本を19歳で手掛け、その両作品で『アンファン・テリブル(恐るべき子供)』と呼ばれて

いた。此の二作は衝撃的だったのは憶えているが、その後の作品は観ていない。プレスによると、ハリウッドのジャンル映画史に一石を投じた『スプリング

・ブレイカーズ』(12)等、作品毎に全く違ったスタイルを持ち、一部からは酷く嫌われる一方、熱狂的なファンを持つ、20世紀以降、インディペンデント映画

界で最も怖いもの知らずの映画監督なのだそうだ。マチュー・マコノヒーを主演に迎え、スフープ・ドックも出ているのが楽しみだった。

もうひとつ、プレスで先ず目が行ったのは、撮影がブノワ・デビエと言う事だ。初めて聞く名前なのにプロファイルを見ると既にファンに成っていた。

初めて担当した長編映画がギャスパー・ノエの『アレックス』(02)、ファブリス・ドゥ・ウェルツの『変態村』(04)、『変態島』(08)、ルシール・アザリロヴィックの

『エコール』(04)、ギャスパーとはその後も全作で一緒に仕事をしている。私が今年初めて観たフランス映画『エクス・ルテナ』(19)も含め、全部大好きな

映画だ。ムーンドック (マシュー・マコノヒー)は、ビーチ・バムと呼ばれている。「渚の酔いどれ詩人」の意だ。かつては天才と讃えられた詩人だった。が、

今は、謎の大富豪で妻のミニー (アイラ・フィッシャー)の財力に頼りアメリカ最南端のフロリダ州キーウエストで、悪友ランジェリー (スヌープ・ドック)らと

どんちゃん騒ぎの毎日を送っている。青く美しいビーチサイドのゴージャスな家に住むムーンドックは長髪にアロハに短パン。アメリカのプロレスラーの

様な出で立ちだ。小さな捨て猫を拾って来て、連れていた。そんな自由気ままな放漫浪生活が、或る事件をきっかけに奪われ、ムーンドックは一文無しの

ホームレスに成ってしまう。映画の流れとして彼が再生に望むのは予想出来るが、そのプロセスが意表を突く。「俺の為に世界がある」と、うそぶく

ムーンドックのテキトーでポジティブな生き様は、応援して良いものなのか良くないものなのか、映画史上最高にハッピーと言うラストを体感して欲しい。

緊急事態宣言・発令期間 4/25-5/11 東京・大阪・京都・兵庫 & 同調・まんえん防止地区による延期が有ります。

4/30(金)〜 キノシネマ横浜みなとみらい・他にて全国順次ロードショー

BEACH BUM (2019) (訳:「浜辺のお尻ちゃん」) (cinema egg)

更新日 2021年4月9日  最近作『21ブリッジ』
水島裕子

主演は『ブラックパンサー』(18)主演で世界のヒーローに成ったチャドウィック・ボーズマン。彼は20年8月に43歳の若さで亡くなった。

自分の病を知りつつも本作の脚本に惚れ込んだ彼は、プロデューサーとしても参加している。

演技の勉強にイギリス交換留学を薦められたチャドウィックは、渡航費や学費が捻出出来ずに断念しかけた過去がある。その時、

或る人物が費用を提供しようと言う。後にその人物がデンゼル・ワシントンだと知ったチャドウィックは、俳優として出会い、直接お礼

を述べたそうだ。と、そんなエピソードを此処に書いたのは、送られて来た全2ページの資料に在ったからだ。エピソードをもうひとつ。

『ブラックパンサー2』が22年7月に全米公開決定。チャドウィックはCGや代役は起用せず、撮影時は闘病中にも関わらずその事を

伏せて撮影に挑んだと言うから、そちらの方も楽しみだ。

私はチャドウィックを映画で観るのは初めてだったけれど、主役に相応しい良い顔をしていると感じた。共演は、『アメリカン・スナイパー』

のシエナ・ミラー、『ビール・ストリートの恋人たち』のステファン・ジェームズ。制作には、『アベンジャーズ』シリーズのアンソニー&ジョー・

ルッソ兄弟監督が名を連ね、テレビドラマ中心に手掛けて来たブライアン・カークがメガホンを取った。試写案内の葉書の最も大きな

コピーに「マンハッタン島、完全封鎖」と有る。続く文章に、「8人の警察官を殺した強盗犯を追跡するために、N.Y.マンハッタン島にある21

の橋を総て封鎖する」。ニューヨークの地図を知らない私は沢山橋が出て来て、「橋」もメインキャストの一人の様なものだろうと思って

いたが、全く違っていた。13歳の時に警察官の父親を殺された過去を持つアンドレ・デイビスは、15年後、ニューヨーク市警の刑事と成った。

が、9年間で8人を射殺したとして内務調査の対象者でもあった。真夜中のブルックリン。2人の男が車を降りるとマシンガン片手にバーに

入った。オーナーの隠し持っていたコカインを奪おうとすると、そこに警察がやって来た。2人は警官を撃ち逃走。犯人の一人と向かい合った

アンドレはねそこに強烈な違和感を覚えた。

4/9(金)〜 TOHOシネマズ・他にて全国順次ロードショー

21 BRIDGES (2020) (訳:「21の橋」) (cinema egg)

更新日 2021年4月9日  最近作『ノマドランド』★★★
角屋清志

「ノマド」とは本来、中東の砂漠地域に生息する「放浪の民」のはずだが、本作ではアメリカ西部に生息している。リーマンショック後のアメリカで

急増した現代「ノマド」に取材したノンフィクションを原作に作られた「ドキュメンタリーフィクション」とでも形容したい感覚を持った作品だ。

■主役は『スリー・ビルボード』(18)以来と成る、フランシス・マクドーマンだが、他の出演者はどうやら実際の「ノマド」を起用している様だ。

■政治経済の問題はあくまで背景に留め、虚構と現実の境界を溶解させ「ホームレス」では無く「ハウスレス」だと語られる放浪の季節労働者で

ある彼らの共同体の内側に入り込んでいる。■カメラで捉えられた雄大な原風景はかつての西部劇の様なロマンよりも物悲しい詩情を感じさせ、

人間存在の小ささを残酷に浮かび上がらせている。■喪失と希望、孤独と自由を表裏一体に抱えながらそれでも彼らは生きて行く。「さようなら」

ではなく「また会おう」と旅立つ彼らはいわば目的地も終着地もない旅を続けているのである。

■彼らの姿に「明日は我が身」と身につまされつつ、彼らも頑張っているのだから自分も生きて行けると言う、ささやかな勇気も貰える映画であった。

■往年の「ニューディール政策時代」のホ〜ボー映画や、ある種の「ニューシネマ」の系譜の流れを汲みながら新たな視界と地平を開いた

ロードムービーだと言えるのではあるまいか。

・*2021 第93回アカデミー賞  「作品賞」 & 「監督賞」 & 「主演女優賞」 受賞!!*   (2021.4.26 new)

3/26(金)〜 TOHOシネマズ・他にて全国ロードショー中

NOMADLAND (2020) (訳:「放浪者の地」) (cinema egg)

更新日 2021年4月6日  ニュー・クラシック・レビュー『アメリカン・グラフィティ』★★★☆
角屋清志

僕の青春映画オールタイム・ベストワンである。劇場・ビデオ・DVD・ブルーレイと各2〜3回は観ている。懐かしい同時に新しい映画と言う感覚は後の

『スター・ウォーズ』シリーズにも共通するジョージ・ルーカスのセンスだが実は『スター・ウォーズ』シリーズは然程好きではない。何故此の作品だけ突出

して好きなのか上手く語れない。困った。強いて言えば「少年から大人に成る事」の不安と希望を描いた映画をほぼ同年代、製作の同時代に鑑賞したと

言うのは大きいと思う。そしてラジオと言う媒体とDJと言う存在への思い入れ、多くの人がラジオDJがまるで友人や家族の様に感じられDJが花形職業

の様に思える時期があったのではないか? 全篇に流れる音楽は無論どれも僕の同時代の曲ではないのだが、万博の年だったかその前年だったかに

戦後の洋楽ベストヒットと言うのを年度毎に半年間に渡ってFMラジオで毎週放送していた事があり、それで最低限の音楽的知識を蓄えていたと言う事も

あったのかも知れない。73年製作(日本公開は74年末)の本作の前年の72年のピーター・ボクダノビッチ『ラスト・ショー』のモノクロ・スタンダードの

トリビアリズムで朝鮮戦争出兵時の田舎町を描いて、そこで良き何かが終わったと言うペシミズムに沈み込んで行く後ろ向き感に対して、本作は

カラーのワイド画面の光の散乱の内に浮上して行く明るさが有る。そこがいい。無論、ラストのテロップはややペシミスティックだが、本作はそこで

「過去」は「過去」として断ち切って「未来」に生きて行こうとでも言った或る種の潔さが感じられる。エンド・クレジットに流れるビーチ・ボーイズの

「オール・サマー・ロング」そのままに諦念とオプティミズムが混在している。やはりボクダノビッチは「後ろ向き」で有り、ルーカスは「前向き」であった

と言う事か。そこらの資質の違いがその後の2人の失墜と成功と大きく明暗分けてしまった要因だったのではないかと今にして思う。

そしてメイキング等確認すると本作はNGを積極的に活用している。オープニングのテリーがスクーターを上手く止められず壁にぶつかるシーンから

して実はNGカット、そうした台本に囚われずにラフに崩して行った闊達さも此の作品の自由な解放感を生み出した要因でもあったのだろう。

言わば『ラスト・ショー』が計算通り設計図通りに作られた完成品の冷たさを感じさせたのに対し、本作は現場の生きた空気ゆ生身の人間の

ヴィヴィットな反応を積極的に反映させた温かみを感じさせる作品と成っている。

あの白いTバードは誰もが故郷を出る時に残して来た「未練」・「里心」のシンボルであろう。あれやこれやで大好きな映画である。観返す度、アメリカ

近代史や音楽史の知識が増える毎に新たな発見がある。ラストにリフレインされるむ「もうすぐ夏は終わってしまう」、「でも僕達に取っては

終わらないけどね」とエコーする歌詞そのままに俺の青春は終わってしまったとしみじみしつつ、何故か元気も衰えるのである。

以上、永遠の浪人おやじの戯れ言であた!

(写真・cinema egg編集長盤)

AMERICAN GRAFFITI (1971) (訳:「アメリカ人の落書帳」) (cinema egg)

♪ROCK AROUND THE CLOCK (訳:「時計の針に釘付けさ」) (cinema egg)

"Where were you in '62 ?" (訳:「1962年に、君達が、過ごした場所とは?」) (cinema egg)

更新日 2021年4月6日  80年代映画レビュー『ロング・ライダース』★★★
角屋清志

都市空間から南北戦争後の西部へと舞台は変わってもやはり此れはスタイリッシュ、スタティック、ニヒリスティック、ストイックと4拍子揃った

ウォルター・ヒルの世界である。スリリングな見せ場をふんだんに用意しアウトロー一味の長い逃亡の日々が綴られても全篇に漂うのは不思議な

静けさだ。写実主義、リアリティの上をヒル独自の闇のビロードが多い。此れもまた孤高の男達が意志と技術のゲームを繰り広げる魅惑の人口

宇宙と成っている。ライ・クーダーのギター・プレイもカントリー的な陽気さよりは沈んだ情趣を感じさせ、見事に再現された西部の街や自然の風物

も全ては暗調色のカメラに撮えられ、クライマックスの長いスローモーションはアウトロー達の敗北の舞の様式化された美しさに昇華されている。

動のアクションを展開しながらも全き静の感覚が有り、集団劇として濃密なファミリー的一味を扱いそれを兄弟俳優に演じさせると言う二重構造を

取りながらも彼らが持っているのはあくまで孤独と寡黙のイメージだ。フォードやホークスがサンライズ・ウエスタンだとしたら此れは差し詰め

トワイライト・ウエスタンと言うべきか。アメリカ伝統の西部劇にフィルム・ノワール的なヨーロピアン・シックと東洋的な虚無とが注入され、

魅惑の異次元が現出している。太陽に背を向ける男ウォルター・ヒルは生まれながらのアウトローであった様だ。

THE LONG RIDERS (1980) (訳:「長距離の騎士達」) (cinema egg)

更新日 2021年3月21日  最新作(リバイバル)『マンディンゴ』★★★
角屋清志

ポスターは『風と共に去りぬ』(39)を意識している。公開当時、プロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスは「これは私の風と共に去りぬだ!」と豪語

していた。黒人奴隷摂取と差別の凄まじい実態を扇情的・露悪的に描いた映画である。こんな題材を堂々とメジャー大作として作れたのは

イタリア人ならではの決断であったのだろう。製作は75年、建国200年を目前にアメリカがお祭り気分に浮かれ始めていた頃である。冷水を浴びせる

様な作品だが、センセーショナルな内容で大ヒット! しかし評判は酷評の嵐であった様だ。それはそりゃそうだろう。誰もが知っていながら触れたくは

無かった恥部を露骨に描いてしまったのだから、

「闇の魔術師」と異名を取ったリチャード・H・クラインの黒と褐色の陰うつなカメラの魅力を大スクリーンで堪能して欲しい。あまりにも刺激的な物語。

「マンディンゴ」とは黒人奴隷のサラブレッドそれを血まみれで闘わせて白人達は歓声を上げるし、奴隷市場では未亡人がズボンに手を入れて男性器を

確認するし、白人は黒人少女の処女を奪うのが日常で、結婚する迄、白人童貞だし、閉ざされた白人上流階級でいとこ同士が結婚するのは良しとしても

兄妹で近親相姦はあるし、白人夫は、黒人娘と。白人妻は、黒人男と姦通するし、あまりにも露悪的過ぎる。このあまりにどぎつい内容に巨匠モーリス・

ジャールが敢えてチープで甘ったるい音楽をかぶせてミスマッチ効果を担っている。形容矛盾だが心地良い不快感?!を齎す映画である。90年代の

ワースト映画ブームと共に人気の高まって来た作品だ。タランティーノの『ジャンゴ/繋がれざる者』(12)も多大な影響を与えている。

『ジャンゴ/繋がれざる者』は大好きな作品だが、唯一の不満は何故かディカプリオの姉役にスーザン・ジョージを起用しなかったのかと言う事であった。

俳優再生術に長けたタランティーノが何故気付かなかったのかと残念でならない。ともあれ、40年の時を経て、スクリーンに復活した映画史上最大の

問題作。必見!と言ってしまおう。

3/12(金)〜 新宿武蔵野館・他にて全国順次ロードショー

MANDINGO (1975) (訳:「性奴隷黒人」) (cinema egg)

更新日 2021年3月21日  『アカデミー賞ノミネート主要一覧』
cinema egg編集室

■作品賞■
『ファーザー』
『ユダ・アンド・ザ・ブラック・メサイア』
『Mank マンク』
『ミナリ』
『ノマドランド』
『プロミシング・ヤング・ウーマン』
『サウンド・オブ・メタル』
『シカゴ7裁判』

■監督賞■
『アナザー・ラウンド』
『Mank マンク』
『ミナリ』
『ノマドランド』
『プロミシング・ヤング・ウーマン』

■脚色賞■
『続・ボラット』
『ファーザー』
『ノマドランド』
『あの夜、マイアミで』
『ザ・ホワイトタイガー』

■脚本賞■
『ユダ・アンド・ザ・ブラック・メサイア』
『ミナリ』
『プロミシング・ヤング・ウーマン』
『サウンド・オブ・メタル』
『シカゴ7裁判』

■国際長編映画賞■
『アナザー・ラウンド』
『少年の君』
『コレクティヴ』
『皮膚を売った男』
『クオ・ヴァディス、アイダ?』

■長編アニメーション映画賞■
『2分の1の魔法』
『フェイフェイと月の冒険』
『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』
『ソウルフル・ワールド』
『ウルフウォーカー』

■作曲賞■
『ザ・ファイブ・ブラッズ』
『Mank マンク』
『ミナリ』
『この茫漠たる荒野で』
『ソウルフル・ワールド』

■歌曲賞■
『ユダ・アンド・ザ・ブラック・メサイア』〜♪Fight For You
『シカゴ7裁判』 〜 ♪Hear My Voice
『これからの人生』〜 ♪Io S (Seen)
『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』〜 ♪My Hometown
『Io S?』 〜 ♪SEEN
『あの夜、マイアミで』〜 ♪Speak Now

発表・・・2021年4月26日

更新日 2021年3月12日  地上波初放送!!『Fukushima 50』
cinema egg編集室

■ 2021.3.12 地上波初!! 金曜ロードSHOW !■

>>CINEMA EGG RECOMMEND NEWLY FILM REVIEW : NO.191 "Fukushima 50"「Fukushima 50 フクシマフィフティ」を観て<<

世界70か国上映決定!! 2022〜 ゴールデングローブ賞・アカデミー賞ノミネート有力作品!! 珠玉の感動作!!!

*第44回 日本アカデミー賞・受賞・主要一覧 2021 * (2021.3.22 new)

■作品賞 『ミッドナイトスワン』

■監督賞 『Fukushima 50』

■脚本賞 『罪の声』

■音楽賞 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

■アニメーション作品賞 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

■外国語映画賞 『パラサイト 半地下の家族』

更新日 2021年3月4日  書評『踊る大ハリウッド』
角屋清志

著者は映画の専門家ではない無名人、ブログに掲載した文章を訂正・加筆して書籍化した1冊である。ジーン・ケリー、フレッド・アステアと言うミュージカル映画の

2大男性スターを考察しているが、300ページ近い構成の内250ページはケリーについて記述されているので実質ジーン・ケリーの「検証本」と言っていいだろう。

ミュージカル・スターの至宝がフレッド・アステアである事に異存はない。「アステアがダンサーなら、ケリーは土方」と言う双葉十三郎氏の評言にも賛同出来る。

だが僕は30代迄はアステアよりケリーの方が好きであったし、土方であるが故に!?よりミュージカル映画を大衆化し、果敢な実験精神でミュージカル映画を進化

させて来た。ケリーの業績は正当に評価されねばならない。特に日本ではアステアのミュージカル映画はほぼ全作品リリースされ評伝の他ヴィジュアル・ブック

迄出版されているのに比べて、ケリーのミュージカル映画はリリース数も少なく書籍は皆無だ。著者は海外の文献を渉猟し日本未公開のケリーのミュージカル映画

をきちんと鑑賞した上で執筆している事は本読みを読めば確信出来る。本書は日本語で書かれた唯一のジーン・ケリーの研究本として一読の価値はある。

多くの映画ファンに手に取って欲しい。本書の発行が未公開ケリー主演作品のリリースの契機と成る事を切に願う。

発行・幻冬舎刊   著者・元来渉 (もときわたる)  定価・1,200円+税

更新日 2021年3月4日  未公開クラシック『プリマス・アドベンチャー』★★☆
角屋清志

1952年度作品。監督 クラーレンス・ブラウン、脚本 ヘレン・ドウイッチ、撮影 ウイリアム・H・ダニエルズ、音楽 ミクロス・ローザ、

主演 スペンサー・トレイシー、ジーン・ティアニー、ヴァン・ジョンソン、ドーン・アダムス、他。 カラー、スタンダード・サイズ、上映時間106分。

毎月パブリック・ドメイン(項的財産)と成った外国映画を10本組1,500〜1,800円+税の廉価版dvdセットでリリースしてくれている神メーカー、

コスミック出版から2月にリリースされた「冒険映画コレクション 十二哩の暗礁の下に」のboxセットの目玉商品と言っていいのが

『プリマス・アドベンチャー』である。日本未公開で過去に特殊上映された衛星放送・等で放映された形跡も無く、日本初リリースである。

17世紀初めにイギリスからメイフラワー号で新大陸(後のアメリカ)に渡った人々の苦難の船旅を描いた史実に基づく歴史映画である。

登場人物も皆有名人らしくエンド・クレジットで俳優名と共に紹介されるが、日本人にはなじみが無い。アメリカの教科書には載っている

のだろうが。そんな訳で豪華スタッフ、キャストの割には日本公開されていないのも理解出来るのだが、僕は楽しめた。

本作で注目すべきは先ずアカデミー特殊効果賞を受賞したミニチュア・ワークであろう。本作、本物の船を海に浮かべてはいないし、

それどころか全篇ほぼスタジオ内のセットで撮り上げられている。野外撮影は88分目あたりのワン・ショットのみでそれも20秒も無い。

全ては人工的にスタジオ内で仮構された映画だと言ってもいい。本作の翌年位から「ランナウェイ方式」と言う外国に資本を移し現地

ロケーションを活用した映画製作が本格化しスタジオ・システムの崩壊が始まって行くから、本作は言わばハリウッドのスタジオ・

システムの職人芸の歴史の、その最後の輝きを刻印した「歴史映画」と言えるかも知れない。

PLYMOUTH ADVENTURE (1952) (訳:「 プリマス植民地航海への冒険」) (cinema egg)

更新日 2021年3月2日  ゴールデングローブ賞・受賞・主要一覧
cinema egg編集室

 (C)HFPA

*2021 第78回ゴールデングローブ賞・受賞・主要一覧*

■ドラマ映画作品賞■

『ノマドランド』

■ミュージカル、コメディ映画作品賞■

『続・ポラット』

■監督賞■

『ノマドランド』

■脚本賞■

『シカゴ7裁判』

■作曲賞■

『ソウルフル・ワールド』

■主題歌賞■

『これからの人生』♪IO SI (SEEN)

■長編アニメーション映画作品賞■

『ソウルフル・ワールド』

■外国語映画賞■

『ミナリ』(アメリカ)

更新日 2021年3月2日  『STEREO EGG FM no.79』
cinema egg編集室

*STEREO EGG FM♪復活!! ラクーカン22号・第79回「80年代中心アメリカ映画 jazz&moods !!」(2021.2月〜2021年4月号)*

CINEMA EGG●YOU Tubeで聴く懐かしの映画主題歌集 第79回●

更新日 2021年2月23日  最近作『ヤクザと家族』★★☆
角屋清志

『新聞記者』(19)の藤井道人監督によるヤクザ映画。随分評判がいいし、今年の日本アカデミー賞では幾つも受賞するだろうとの意見も有るがやはり

『新聞記者』と同じく僕は疑問や不満を覚えた。無論『新聞記者』よりはこちらの方が良い。恐らく各種ベストテン入りは確実と思われる。此の監督、

演出力は有る。長い導入部の後タイトルと共に儀式が行われる辺りで「いける!」と唸ったし、3部構成で各パート毎に画調を変化させたり、俯瞰ショット

や手持ちカメラの長廻しの使い方、メイン・イメージと成る煙を噴き上げる煙突等、上手いと思う。だが、『新聞記者』と同じくラストと言うか本作では第

3部がガクッと来た。ネタバレに成るから書くのはやはり頭の中と言うか脳内妄想で作り上げてしまった映画と言う印象を持った。『新聞記者』の監督依頼を

受けた時、それ迄はノンポリで、以後に「東京新聞」を読む様に成ったと言う監督の発言を読んでずっこけたが、あの作品がかつての左翼社会派映画と比べて

モチベーションの弱い映画であったのは間違いないであろう。フラッグシップのマーク入りFAX等判り易過ぎて子供か! と思ってしまった。かつて三島由紀夫が

黒澤明について「黒澤明の思想は中学生だがあの技術は凄い」と述べた事があったが此の監督にも酷似した印象を受ける。

- ここからネタバレに言及 -

幾つか疑問点を書く。まずヤクザ同士の抗争なのだから14年もの懲役をくらう程の罪なのかと言う事。そしてその間誰も面会に来なかったのかと言う事。

刑務所内で時間はたっぷり有るのだから色々学び外界の情報は仕入れられるはずだからいきなり浦島太郎状態と成るのはリアリティが無い! 女性の扱い方も

緩い。肉体関係は拒んだだけで「気の強い女」と言うのはあまりに差別的! ここでの尾野真千子は極めて良い女性に僕には見えたけど。故に姿をくらましてしまう

のが理解し難がったし、幾らヤクザに人件が無いと言われても辞めたヤクザの社会復帰支援組織等、有るはずだ。「○暴」と「ヤクザ」がつるむのなら、もっと

上手くばれない様に立ち回るのではないかと思ったし、公務員であんなに簡単に首切り出来ないはずだ。その他色々書きたい事は有るが此の辺にする。

ともかく此の監督演出は有るのだから、詰めの甘い自分の脚本ではなく、じっくり練られた他人の脚本で次作を撮って欲しいと思う。かつての安部譲二を始め

としてヤクザから足を洗った文化人、言論人は何人も居るし、いくら「暴力団排除条例」が施行されたと言っても日本社会はもっと寛容で有ると思う。

あの追い込まれ方は作り過ぎだと思ってしまった。第3部で失墜してしまった! 残念。

2/11(祝)ロードショー

THE YAKUZA AND THE FAMILY (2021) (訳:「ヤクザと家族」) (cinema egg)

更新日 2021年2月21日  シネマエッグ推薦作
cinema egg編集室

■2021■3月・4月■  ■第198回シネマエッグ推薦作 (1/3) (邦)  シン・エヴァンゲリオン劇場版:I  2021年3月 8日(月)〜

& 第198回シネマエッグ推薦作 (2/3) (邦)  騙し絵の牙  2021年3月26日(金)〜

& ■第198回シネマエッグ推薦作 (3/3) ノマドランド  2021年3月26日(金)〜

■2021■5月■  ■第199回シネマエッグ推薦作 (邦)  いのちの停車場  2021年5月21日(金)〜

■2021■10月■  ■第204回シネマエッグ推薦作 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 2021年 10月18日(金)〜

■2021■--月■  ■第---回シネマエッグ推薦作   トップガン マーヴェリック 2021年--月--日(金)〜

■2021■--月■  ■第---回シネマエッグ推薦作 (邦)  シン・エヴァンゲリオン劇場版:I  (アイ)  2021年--月--日(金)〜

更新日 2021年2月15日 最近作『秘密への招待状』
水島裕子

ジュリアン・ムーアとミシェル・ウィリアムズが共演するなんて、もうそれを知っただけで此の映画が気に成っていた。此の才能豊かな二人の女優の

演技をゆっくり味わって欲しい。2006年にアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたデンマーク映画、スガンネ・ビア監督の『アフター・ウエディング』

のハリウッド版リメイクだ。そのストーリーの力強さにあっとうさせられたと言う本作のプロデューサーのジョエル・B・マイケルズは、多くの制作会社との

長い権利争いの末、ようやく手に入れた。それに相応しい監督探しにも難航した後、バート・フレインドリッチに決まった。此の人はジュリアン・ムーア

の夫であり、やはり『アフター・ウエディング』に感銘していた彼女は主役に名乗り出た。『アフター・ウエディング』の主人公が二人の男性だったのを

本作では、二人の女性に変えている。世界中で沸き起こるジェンダー問題を考慮し、より今日的な作品にアップデートさせる為だと言う。おかげで此の

二人の女優の共演が観られる様に成った訳だ。ジュリアンより更に難しい役を得たミシェル・ウィリアムズは、此の物語にある感情の起伏に強く惹かれ、

かつてやった事の無い此の役で新しい所に到達出来たと言う。娘役にはオーディションが行われ、

その場に居たジュリアン・ムーアが此の娘に成ります様にと秘かに願っていたアビー・クインが選ばれたと言うエピソードも微笑ましい。

物語は、インドはカルカッタのスラム街で始まる。孤児院を運営しているイザベル(ミシェル・ウィリアムズ)は、子供達と共にする仕事が大好きでは

あったが、資金不足には常に頭を痛めていた。そんな或る日、200万ドルを寄付したいと言う女性から、ニューヨークに取りに来て欲しいと言う連絡

が入った。イザベルにはジェイと言う目が離せない子供が居る為にためらうが、代理ではなくどうしても本人でないと駄目だと言われてしまう。

イザベルを呼んだのは、ゼロから起業し、今や全米一のメディア代理店のトップに立つ億万長者のテレサ(ジュリアン・ムーア)だった。テレサは、

イザベルにまず娘の結婚式が週末に有るのでそれに出席して欲しいと言う。寄付の件も沢定事項と知らされていたのに、もう少し調査させて欲しい

と話が違って来た。当日、テレサの大邸宅に着いたイザベルは、或る男性との再会に驚く。

2/12(金)TOHOシネマズ・シャンテ、他にてロードショー

AFTER THE WEDDING (2019) (訳:「結婚式の後で」) (cinema egg)

更新日 2021年2月15日 最近作『ツナガレラジオ』
水島裕子

映画、ドラマ、舞台で活躍中のイケメン10名による伝説DJ番組『オールナイトニッポン』、『おしゃべりや』を映画化したものである。神奈川県伊勢原市

の大山(神奈川に住む子供が遠足で登る山)に在る小さなラジオ局を舞台に、10名の訳あり男子達の共同生活を描く。その10名とは、「あぶりラジオ」

の構成担当アクトに『仮面ライダー ゴースト』主役の西銘駿。父が立ち上げたラジオ番組を復活させようとするニガリに、やはり『仮面ライダー』出身

の飯島寛騎。料理番クッパを演じるのは『テニスの王子様』の阿久津仁愛。ミキサー担当のミュートを井坂郁巳。番組ディレクターのコージに橋本祥平。

カメラ担当のマクロに深澤大河。メインパーソナリティで人気のディイジェイのセルカには、ゆうたろうと板垣李光人。双子でジェンダーレスの様な

動きが楽しい。アニキ的ポジションのバント―に、立石俊樹。プロデューサーのジムには、映画『天気の子』の声優として人気の醍醐虎汰朗。

また1990年代を代表するJ-POPの数々がキャスト陣によるカバー&ニューアレンジも見所だ。試写案内を最初見た時には、若い男の子を集めたい

から作った映画と言う印象だった。でも実際はそれだけでなく脇を固める俳優のキャスティングにも手を抜かず心配りが見える所が嬉しい。

ニガリの父親と訳あり関係の豆腐屋にイッセー尾形。土産物屋の女主人に、『ONE PIECE』のルフィや『ドラゴンボール』のクリリンの声優、田中真弓。

頑固な職人に、ブッチャーブラザースのぶっちゃあ。真弓さんは私の青学の短大の先輩で、最近一緒に芝居をしています。今月も好演が有ります。

真弓さんに此の映画を観た事を伝えたら、「イッセー尾形さんが素晴らしかった」との感想を持たれていたので、それで本作のキャスティングの

良さに気付いたのだった。ぶっちゃあさんも80年代の深夜番組『姫テレビ』からの永い付き合いだ。今はコロナ渦だから中断だけど、毎年お笑い芸人

中心のお花見を主催している。私も参加させていただいているが、そこに来た若手芸人が数年後に凄く売れたり、懐かしい人と再会したり、

新しい出会いが有ったりと、もはや一つの文化を作っている。大山は階段部分が多い。

子供の頃に貧血だった私は登るのが辛かったけど、本作を機に再び挑戦したく成った。

2/11(祝)全国ロードショー

TSUNAGARE RADIO (as "TUNING THE RADIO") (2021) (訳:「 ツナガレラジオ」) (cinema egg)

更新日 2021年2月15日 告知『朗読と劇中歌』
水島裕子

出演・田中真弓、くじら、オオタスセリ、水島裕子、金月真美 ゲスト・三ツ矢雄二

2/27(土) 下北沢・北沢タウンホールにて 開場14:30 受付開始15:00 料金・全席指定 3,000円

■メール予約 suseri524@yahoo.co.jp  ■電話予約 03-3466-0020  「劇」 小劇場 (受付時間 11:00〜19:00)

■グレイ枠QRコード スマートフォンにて読み取り申し込み下さい。

 入場時・検温と消毒実施及び上演中マスク着用 マスクをご用意ください。

そして、■生配信による観劇チケット アーカイブ1週間 料金・2,000円

■グリーン枠QRコード スマートフォンにて読み取り申し込み下さい。

更新日 2021年2月5日  ゴールデングローブ賞ノミネート主要一覧
cinema egg編集室

 (C)HFPA

*2021 第78回ゴールデングローブ賞ノミネート主要一覧*   (2021.2.5 new)

■ドラマ映画作品賞■

『Mank マンク』・『ファーザー』・『ノマドランド』・『シカゴ7裁判』・『プロミシング・ヤング・ウーマン』

■ミュージカル、コメディ映画作品賞■

『続・ポラット』・『ザ・プロム』・『パーム・スプリングス』・『ハミルトン』・『Music ミュージック』

■監督賞■

『Mank マンク』・『ノマドランド』・『シカゴ7裁判』・『プロミシング・ヤング・ウーマン』・『あの夜、マイアミで』

■脚本賞■

『Mank マンク』・『ファーザー』・『ノマドランド』・『シカゴ7裁判』・『プロミシング・ヤング・ウーマン』

■作曲賞■

『ミッドナイト・スカイ』・『TENET テネット』・『Mank マンク』・『ソウルフル・ワールド』・『この茫漠たる荒野で』

■主題歌賞■

『シカゴ7裁判』♪HEAR MY VOICE  『これからの人生』♪IO SI (SEEN)  『あの夜、マイアミで』♪SPEAK NOW
『ユダと黒いメシア』♪FIGHT FOR YOU  『合衆国VSビリー・ホリデイ』♪TIGRESS & TWEED

■長編アニメーション映画作品賞■

『ソウルフル・ワールド』・『2分の1の魔法』・『フェイフェイと月の冒険』・『ウルフ・ウォーカー』・『ザ・クルーズ:ニューエイジ』

■外国語映画賞■

『アナザー・ラウンド』(デンマーク)・『ラ・ヨローナ 彷徨う女』(グアテマラ)・『これからの人生』(イタリア)・
『ミナリ』(アメリカ)・『トゥ・オブ・アス』(フランス/アメリカ)

■発表日 2021年2月28日(日) 米国ビバリーヒルズ・ヒルトン

更新日 2020年12月21日 最近作『マンク』★★★☆
角屋清志

祝・*2021 第78回ゴールデングローブ賞「 ドラマ映画作品賞」「監督賞」「脚本賞」「作曲賞」ノミネート!!*   (2021.2.5 new)

デビッド・フィンチャー 6年振りの新作は「Netflix」製作による「映画人もの」。映画史に革命を起こした傑作『市民ケーン』(41)のビハインドである。

但し主役は『市民ケーン』の監督・主演のオーソン・ウェルズではなくウェルズと共に共同脚本にクレジットされているマンクとハーマン・マンチウィッツ、

あの『三人の妻への手紙』(49)、『イヴの総て』(50)、『裸足の伯爵夫人』(54)の名匠ジョゼフ・マンキウィッツの不肖の兄だ。映画と言う建築物の設計図

を書く重要な仕事でありながら注目される事の少ない脚本家にスポットライトを当てた映画だ。実在した脚本家を主人公とした映画としては

『トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男』(18)に次いで此れが2本目であろう。そして僕としては『トランボ』よりこちらを強く推す。デビッド・フィンチャー 監督

作品としても一番好きだと言ってしまおう。内容的にはかつて'70年代にスキャンダルとセンセーションを巻き起こしたアメリカの批評家ポーリン・ケールの

説を採用している。つまり『市民ケーン』の実質的な脚本はハーマンが執筆し、ウェルズはクレジット泥棒であったと。僕はその説を取らないがともあれ

ウェルズが悪役的に描かれていないのが救いであった。此の映画の脚本は何とフィンチャーの父親の遺稿である。フィンチャーにそんな父親が居たとは

驚きだが、ポーリン・ケールが忘れられた脚本家を復権させた説を具体的に映像化しつつ知られざる自身の父親の存在を顕揚してみせたと言う事か。

実は僕は此の映画を客観的に冷静には語れない。『市民ケーン』は僕のオール・タイム・ベストで在り、作品を巡る様々な情報が頭に入り過ぎているので。

だが映画と言うのは、例えば政治的知識が無くとも政治映画は楽しめるし歴史的知識が無くとも歴史的映画も楽しめるものであるはずだ。

そこで多くの人には最近の映画では『フォードvsフェラーリ』の様な巨大な企業と闘う個人の物語として楽しんで欲しいと願う。ベルトコンベア・システム

の歯車に個人を組み込もうとする大企業と手工業的・職人的な個人のプライドを賭けた闘いの物語。ツボにはまる部分があるはずだ!

ゲイリー・オールドマンが、ウィンストン・チャーチルに続いて愛すべき魅力的な変人を好演している。また彼に主演男優賞を与えたい。

「Netflix」にはいつも優れた作品を有難うと感謝したい。そして完成しているはずのオーソン・ウェルズ の遺作『風の向こう側』を早く観せて欲しいと思う。

11/20(金)劇場単館系ロードショー 12/4(金)Netflix配信ロードショー  MANK (2020) (訳:「脚本家マンク」) (cinema egg)

第196回シネマエッグ推薦作 (2/2) ソウルフルワールド (ディズニーピクサー) ★★★★ VERY GOOD

・*2021 第93回アカデミー賞 「長編アニメ作品賞」 & 「作曲賞」 受賞!!*   (2021.4.26 new)

・*2021 第78回ゴールデングローブ賞 「長編アニメ作品賞」 & 「作曲賞」 受賞!!*   (2021.3.2 new)

>>CINEMA EGG RECOMMEND NEWLY FILM REVIEW : NO.196  "Disney ・ PIXAR "SOUL""「ソウルフル・ワールド」を観て<<   (2020.12.25 new)

●注意●2020年 12月11日(金)〜映画館公開が世界的コロナ渦拡大に成り、「オンライン有料配信」封切りと成りました。

「ディズニープラス」にて「有料配信」と成りました。入会方法 (新規入会)-> https://disneyplus.disney.co.jp/program/soulfulworld.html

■「スマホ」・「パソコン」・「タブレット」他の端末にての鑑賞と成りました■

(C) WALT DISNEY

更新日 2021年2月2日 最近作『 ワンダーウーマン 1984』★★☆
角屋清志

前作は乗り損ねたが本作は楽しめた。リチャード・ドナー版『スーパーマン』の様な能天気さとティム・バートンはん『バットマン』の様なダークサイドに転がり

そうな感じとが上手くブレンドされている。トレースされているのは主に2つの物語。ひとつはチャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』であり、

もうひとつはW.W.ジェイコブスの『猿の手』である。『クリスマス・キャロル』の方は余りにも有名なお話であり、何度も映画化されているが、『猿の手』が

こんなメジャー大作に流用されているとは意外であった! それともあちらでは此のお話は誰もが知っている民間伝承の様なものなのであろうか?

因みに『猿の手』の映画化作品は何時も応援している廉価版DVDメーカー「コスミック出版」からリリースされている10本組1,800円+税のDVD-BOX

「戦慄と夢幻の世界」に収録されていて鑑賞する事が出来ます。参考迄。さて今回の悪役と言うか敵役の一人の「あの姉ちゃん」は元々コメディエンヌ

のはずだが意外なキャスティングの妙であった。もう一人の不動産王は言うまでもなく80年代のドナルド・トランプがモデルであろう。知らない役者だが

此れも見事な敵役であり適切な役であった。本作から作者達がドナルド・トランプをどの様に思っているのか推察するのは余計な「裏目読み」かも知れない

ので言及しないでおくが、ともあれドナルド・トランプは良きに付けて悪しき世界史に名を残す傑作物である事は間違いないと言う思いが確定的に成った。

あれやこれやで大いに楽しめ満足したが、最後に不満点を2つ。まず80年代のヒット曲をもっと使用して欲しかった。1曲だけ!かい。そして本作は「クリスマス」

ストーリーなのだから当然「クリスマス」ソングを流すべきだし、きちんと「ハッピー・クリスマス」、「メリー・クリスマス」と言わせるべきだ!、行き過ぎたポリコレが

残念であった。そんな訳で☆半分マイナス。

MP3リスト『Page.15』

TOHOシネマズ日比谷、他にて全国ロードショー中

原題:"WONDER WOMAN 1984"  (訳:「驚異的な女性 1984年」) (cinema egg訳)

更新日 2021年1月28日 『 第44回 日本アカデミー賞 2021ノミネート主要一覧』
cinema egg編集室

■作品賞

『浅田家!』『男はつらいよ お帰り寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』

■監督賞

『ミッドナイトスワン』『朝が来る』『罪の声』『浅田家!』『Fukushima 50』

■脚本賞

『ミッドナイトスワン』『浅田家!』『罪の声』『Fukushima 50』『男はつらいよ お帰り寅さん』

■音楽賞

『Fukushima 50』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『糸』『罪の声』『男はつらいよ お帰り寅さん』

■アニメーション作品賞

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『映画えんとつ町のプペル』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『ジョゼと虎と魚たち』『SAND BY ME ドラえもん2』

■外国語映画賞

『スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』『パラサイト 半地下の家族』『フォードVSフェラーリ』『1917 命をかけた伝令』『TENET テネット』

 

>>CINEMA EGG RECOMMEND NEWLY FILM REVIEW : NO.191 "Fukushima 50"「Fukushima 50 フクシマフィフティ」を観て<<

>>CINEMA EGG RECOMMEND NEWLY FILM REVIEW : NO.189 "TORA-SAN, OUR LOVABLE TRAMP : PART 50"「男はつらいよ お帰り 寅さん」を観て<<


結果発表 2021年3月19日(金) 

更新日 2021年1月26日 最近作『 キング・オブ・シーヴス』
水島裕子

タイトルの『シーヴス』とは、「物を盗む」の意味だそうだ。実際に起こった事件が元に成っている。2015年、ロンドンの宝飾店街「ハットンガーデン」の貸金庫

から1,400万ドル(約25億円)相当の宝石や現金が盗まれた。その真相について国内で激しい推測合戦が起きた。国民もメディアも総出で捜査の展開を見守る

中、誰もが予想していなかった犯人像が浮上する。逮捕されたのは、平均年齢60歳越えのオールド窃盗集団だったのだ。

監督は『マン・オン・ワイヤー』(08)でアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したジェームズ・マーシュだ。ドキュメンタリータッチで物語が進む中、

エンターテインメントな演出が光っている。本作で窃盗団のリーダー、ブライアンを演じたのは、アカデミー賞で2度のオスカーを獲り、各国の映画祭で多数の

受賞歴を持つマイケル・ケインだ。盗みが成功すると言う決して前向きな気持ちに成れない物語の中で唯一、私は彼の演技力を楽しんだ。それだけで此の

映画を観る価値が有る。他にもシニアの名優達が出ているので、ファンの人には見所に成るだろう。窃盗団のナンバー2に、『ベロニカとの記憶』のジム・

ブロードメント。おとぼけ役ケニーに、『さざなみ』のトム・コートネイ。『ハリーポッターとアズカバンの囚人』のポール・ホワイトハウス。『キャッツ』のレイ・

ウィンストン。『ジュディ 虹の彼方に』のマイケル・ガンボン。また、窃盗団の中での一番若手を演じるチャーリー・コックスは、デビュー4年目にして人気は

世界的に成ったと言う。私は此の人の事を知らなかったけど、本作ではマイケル・ケインの次に印象深かった。ブライアンは、かつて「泥棒の王(キング・

オブ・シーヴス)」と呼ばれていた。引退後、最愛の妻と平穏な日々を過ごしていた。が、妻が急死したのをきっかけに、昔の仲間から再び仕事をしないかと

誘われる。ロンドン随一の宝飾店街「ハットンガーデン」での盗みの計画を持ち掛けられたブライアンは、一旦は断ったものの、或る男との出会いが、

きっかけで「やる」と決意する。ブライアンだけでなく昔の仲間達も、とうに60歳を越え、盗みは引退し、其々の老後生活を送っていた。そんな彼らを再び誘い

出すのに一苦労だったものの、どうにか実行にこぎ着けた。後1日で成功すると言う見込みが立った時、ブライアンは突然「自分は辞める」と言う。

1月15日(金)〜 TOHOシネマズ・シャンテ、他にて全国順次ロードショー

原題:"KING OF THIEVES"  (訳:「泥棒達の王様」) (cinema egg訳)

更新日 2021年1月26日 サントラmp3 【特集・ 『帰らざる河』・『男性の好きなスポーツ』・『ローマの休日』・『さんかく窓の外側は夜』・『夜の豹』 】
cinema egg編集室

MP3リスト『Page.16』

更新日 2021年1月18日 TSUTAYA発掘良品『 男性の好きなスポーツ』★★★
角屋清志

フランスの「ヌーヴェル・ヴァーグ派」や蓮實重彦ら「表層批評派」にこよなく愛されているアメリカ映画の巨匠ハワード・ホークス監督の1964年度作品。

パッケージには「スラプスティック・コメディ(ドタバタ)」と記されているが、「スクリューボール・コメディ(奇人変人)」と言った方が良いであろう。

公開当時は「セックス・コメディ」と言う形容もなされていたようだが過激な「ティーンエイジ・コメディ」を通過した目にはむしろ洗練されて見えるのでは

ないか。要するに「ちょっと変わった男女が繰り広げるラブコメディ」である。ともかく楽しいハッピーな気分に成れる映画である。「魚釣り」も楽しいが

「女の子」を釣る釣られるのは、もっと楽しいと言う映画である。自身の傑作『赤ちゃん教育』(38)の焼き直し、今風に言えばリボーンの様な作品だ。

ハワード・ホークスは似た様なパターンの作品を幾つも手掛けている。自作を作り直す監督には2種類あって、「前は上手く行かなかったから再挑戦と

言うタイプ」と、「上手く行ったからもう一度と言うタイプ」だが、ホークスは後者である。

『赤ちゃん教育』は先駆的過ぎて同時代には理解されず、時と共に評価が高まった作品であったが、本作はその反省の上に!? 作風を少し薄めて---

例えて言えば、ストレート・ウイスキーではなくコーク・ハイ---60年代前半のレジャー・ブーム、釣りブームを取り入れて大衆的なエンターテインメントとして

作り上げた作品である。登場人物も奇人変人ではあっても常識的に片足かけている様な所もあって、クレイジー過ぎた『赤ちゃん教育』より親しみ易いので

はないかと思える。ハワード・ホークス入門には最適の1本であろう。色々と書きたい事は有るが2つだけ。

やはりホークスは動物の扱い方が上手い。『赤ちゃん教育』の豹は勿論、『ハタリ!』(62)は動物捕獲の映画であった。CGだらけの時代に成って尚更本物の

動物を上手く扱った映画を観るのは心地良い。そして主人公は「釣りの素人」と言う設定だが本作はプロの撮った映画に見えるのではないかと思う。

ホークスは「プロのレーサー」で在ったし、「飛行機免許証」も持っているし、「狩猟」もやるのだが、おそらく「釣り」もそこそこ嗜んでいたのではないか。

素人の僕には大物が釣れるシーン等、本物らしく撮れていたと思えた。この辺り「釣り好き」の感想をお伺いしたい。

ともあれ、ハワード・ホークスが映画のプロであるのは間違いない。映画と言う監督の「好きなスポーツ」を存分に楽しみながら易々と観客を釣ってみせるのである。

原題:"MAN'S FAVORITE SPORT ?" (訳:「男性の好きなスポーツって?」) (cinema egg訳)

ヘンリー・マンシーニ楽団コーラス歌唱の主題歌とそのジャズ・アレンジ楽曲によるサントラ

当時の此のジャズ・アレンジ楽曲サントラスコアEP盤と、マンシーニLP盤「ディアハートとその他ラブソングス」に歌曲1曲が収録されジャケットの

アートワークとして此の「男性の好きなスポーツ」のロック・ハドソンとポーラ・プレンティスの絵の具アートがジャケットでした。(シネマエッグ編集長)

(写真・cinema egg編集長所有「男性の好きなスポーツ」サントラスコア盤)

更新日 2021年1月18日  クラシック・レビュー『忘れられた人々』★★★
角屋清志

ルイス・ブニュエルは崇高と昇俗を現実と夢を誌と散文を軽々と越境する。

ハイブローなアート映画と大衆的で煽情的なエクスプロテーション映画の越境であり、リリアリズムとシンボリズムの越境である。小綺麗なアートシアターに

掛けても良いし場末のグラインドハウスに掛けても良い。公開時、日本でもそうした2種類の宣伝が成されていた様だ。現在タランティーノ監督がやっている

様な事はブニュエルがとっくの昔にぬけぬけとやっていた。「非行少年もの」の古典である。シュール・レアリズム映画『アンダルシアの犬』(28)と

『黄金時代』(30)でフランスでセンセーションを巻き起こして追放されたスペインのブルジョア出身の若者は、

「忘れられた人」と成っていたかと思ったら易々とアメリカからメキシコへと越境し大衆娯楽映画の監督としての信頼を築き上げ50歳を過ぎて映画芸術の

第一線に帰って来た。繁栄から取り残されたスラムの若者達の群像劇である。まったく救いのない映画であり、5人の観客が居たらその内4人には嫌われる

映画だが、残り一人の感動は4人足した分より大きいであろうと、公開当時、植草甚一は評価していた。不条理劇作家の安部公房がベストワンに選出していた

映画でもある。好きとは言い切れないが時々観たく成る「忘れられない映画」である。

劇場公開題:『十代の暴力』

原題:"LOS OLVIDADOS"(as "THE FORGOTTEN")  (訳:「忘れられた者達」) (cinema egg訳)

更新日 2021年1月18日  2021年1月・.2月シネマエッグ推薦映画
cinema egg編集室

■2021■1月・2月■

第197回シネマエッグ推薦作 (邦)  花束みたいな恋をした  2021年 1月29日(金)〜    ★★★★ VERY GOOD

>>CINEMA EGG RECOMMEND NEWLY FILM REVIEW : NO.197 "HANATABA MITAINA KOI WO SHITA (as "I WAS FELL I N LOVE LIKE A FLOWERS")"「 花束みたいな恋をした」を観て<<   (2021.1.31 new)

原題 : "HANATABA MITAINA KOI WO SHITA" ( as "I WAS FELL IN LOVE LIKE A FLOWERS" ) (訳:「 花束みたいな恋をした 」 ( cinema egg 訳)

監督・土井裕泰 脚本・坂元裕二 音楽・大友良英 インスパイア・ソング♪「勿忘」 (歌) Awesome City Club

主演・有村架純、菅田将暉 ■予告篇■ https://youtu.be/cFrBhxMpMwk ♪MP3リスト『Page.16』  (2021.1.31 new)

シネマエッグ推薦映画『シンエヴァンゲリオン:I』の延期が決定!!

今年最初の推薦作は1/29(金)封切り 『(邦) 花束みたいな恋をした 』 (有村架純) に成りました。

シネコン「夕方の上映開始が最終回」と成ります

更新日 2020年5月28日(の再掲載) 最近作『 トキワ荘の青春 デジタルリマスター版』
水島裕子

本作は、市川準監督の1995年に公開された作品のデジタルマスター版として、新たに公開される。1950年代に東京の片隅のアパートに集まった漫画家

達の青春を描く。昭和30年代、東京都豊島区に、伝説のアパート「トキワ荘」が在った。「漫画の神様=手塚治虫」が暮らしたそのアパートに若き漫画家達

が集まって来た。金も仕事も無く、食べるのにも困る日々だったが、漫画に其々情熱を注いでいた。

現在も活躍している俳優達が実在の人物を演じ、映画の舞台は昭和30年代、映画が作られたのは25年前で、デジタルリマスター版が間も無く公開される。

と成ると、人物も時制も混同して良く判らなくなってしまうのは私だけだろうか。整理するのに時間が掛かった。判ったら判ったで楽しいのだけれど。

「トキワ荘」の住人達のまとめ役だった投稿漫画の選評家(せんぴょうか)、寺田ヒロオ役に本木雅弘。当時は『RAMPO』・『GONIN』等で個性派俳優として

注目されていた。他には大森嘉之、阿部サダヲ、古田新太、生瀬勝久ら、は未だ若手で、本作が初めての映画出演だろうとされている。

また、手塚治虫役に劇作家の北村想、編集長役にドキュメンタリー監督の原一男。娼婦役に漫画家の内田春菊など、CM演出家出身の市川監督ならでは

のキャスティングだ。「トキワ荘」、そこには手塚治虫が住み、日夜編集者達が仕事で来ていた。向かいの部屋に住む寺旧は、その様子を眺めながら、

自らも出版社への持ち込みを続けていた。やがて手塚が出て行くと、入れ替わる様に、漫画家の卵達が入居して来る。藤子・F・不二雄、藤子不二雄A、

石森章太郎、赤塚不二夫、森安直哉、鈴木伸一など。つのだじろうも、近所に住んでいた。彼らは『漫画少年』の投稿仲間で在り、寺田を中心に、

「新漫画党」を結成した。そんな中、『漫画少年』の出版社、学童社が突然倒産する。此れを機に住人達の進む道も変化する。売れっ子に成る者、

アニメーションに移行する者、故郷に帰る者も。CMカメラマン出身の小林達比古の映像、増村保造とも仕事をして来た間野重雄の手掛ける美術も見所だ。

イッセー尾形が北沢楽天を演じた。『漫画誕生』(2019)も併せて観て欲しい。

2/12(金)〜(ようやく公開の予定)

テアトル新宿・他にて全国順次・近日ロードショー

TOKIWA SOU NO SEISHUN (as "THE PRIME AT TOKIWASOU APARTMENT") (2019) (訳:「トキワ荘の青春」) (cinema egg)

更新日 2021年1月10日 『2020年度ベストテン』
角屋清志

1.フォードVSフェラーリ

2.マンク

3.1917/命をかけた伝令

4.パラサイト 半地下の住人

5.パバロッティ/太陽のテノール

6.ザ・バンド/かつて僕らは兄弟だった

7.ジュディ/虹の彼方に

8.リチャード・ジュエル

9.ミッドウェイ

10.ストーリー・オブ・マイライフ/私の若草物語

■コメント■

1.2.は甲乙付け難いがやはりより多くの人に安心してお薦め出来るのは『フォードVSフェラーリ』か、な。精神に於いては正統派西部劇で有り、

大企業と闘う個人商店の物語としてしかない労働者として共感出来る。レース映画としても此れまでの最高作であろう。

3.4.も甲乙付け難く『パラサイト 半地下の住人』は、しみったれた『万引き家族』(15)とは格が違うエクストリームなエンターテインメントとして

上出来であった。音楽関連の5.6.は劇映画として、7.はドキュメンタリーとして、其々再製作の価値は有ると思う。8.はやはり、オリバー・ストーン

がショボい事に成ってしまった今、イーストウッドは社会派映画の希望の星か? 9.は、おバカ映画の巨匠エメリッヒ監督初の成功作!?

10.の女性監督には注目しておこう。以上、見逃した作品も多いので取り敢えずの選択である。(2019年12月〜2020年11月迄の公開作)

更新日 2021年1月10日 『2020年度ベストテン』
水島裕子

1.ポルトガル 夏の終わり (ユペール主演、外国語が複数カ国語使われている配分も良い。)

2.アンナ・カリーナ (日本で今年限定。)

3.9人の翻訳家 囚われたベストセラー (やはり複数カ国語使用。レンタルで観た。)

4.アンダー・ドック (試写を迷って行かなかったけれどパルコで観た。前後篇2時間時間超え。)

5.ハニーランド 永遠の谷 (全く自分とは共通項のない世界に共感。)

6.ティーンズ・スピリット (最近のエル・ファニングは良い。)

7.ムルゲ王朝の怪物 (今年2020一番何も考えず楽しめた映画。)

8.人数の町 (SF?)

9.男と女 人生最良の日

10.霧の中の少女

では、よいお年を。水島裕子

更新日 2021年1月10日 2021 シネマエッグ作品賞&2020ベスト20
cinema egg編集室

<< CINEMA EGG  AWARDS 18th >> 2020 シネマエッグ作品賞

作品賞

"BEST-PICTURE OF THE YEAR" WINNER :  DANCING IN HER DREAMS (JAPAN)

(邦) 彼女は夢で踊る (生涯を通して愛した愛する幻影、実在した広島ヌード劇場の社長の物語●単館に付き推薦作から外れました秀作!!●)(日本国)

■予告篇■ https://www.youtube.com/watch?v=BoQnHUji21I

優秀特別作品賞

"FORGOTTEN BEST-PICTURE OF THE YEAR" WINNER :  - HOLD ME BACK (JAPAN)

(邦) 私をくいとめて (●綿矢りさ原作の映画化ラブ・コメディ作●)(日本国)

■予告篇■ https://www.youtube.com/watch?v=f2XAxI-MPEM

リージョン3エリア優秀作品賞

"REGION CODE-3 AREA'S  PICTURE OF THE YEAR" WINNER : PARASITE (KOREA)

 パラサイト 半地下の住人 (●初の外国語作品での米国オスカー作品賞に輝いた格差社会の暗闇を描いた衝撃作●)(韓国)

■予告篇■ https://youtu.be/ZKL4Rg1VIm0

リージョン2エリア優秀作品賞

"REGION CODE-2 AREA'S  PICTURE OF THE YEAR" WINNER : FUKUSHIMA 50 (JAPAN)

(邦)  Fukushima 50 フクシマフィフティ (●実録・東日本大震災による福島原発事故の危機を描いた感動作●)(日本国)

■予告篇■ https://www.youtube.com/watch?v=JO2U_5jRDEo

リージョン1エリア優秀作品賞

"REGION CODE-1 AREA'S  PICTURE OF THE YEAR" WINNER : FORD VS. FERRARI (USA)

フォードvsフェラーリ (●ル・マン24時間耐久性レースに王者フェラーリに挑んだフォードチームの歴史的感動作●) (米国)

■予告篇■ https://www.youtube.com/watch?v=4rcKCkcp5gE

これら名作の数々、是非もう一度ご覧下さい!! そして未だの方は映画の素晴らしさを体験下さい!!

本年も宜しくお願い致します。(シネマエッグ管理人 SEIJI IWAI)

2020年3月22日 コロナ遅延開始 〜 6月1日「ひまわり」リバイバル上映から新作の再開

*2020年劇場公開作ベスト20*

●1.(邦)  Fukushima 50 フクシマフィフティ  <推薦作> ★★★★★ EXCELLENT

●2.(邦) 彼女は夢で踊る ★★★★ VERY GOOD (単館作)

●3.(邦) スパイの妻  <推薦作> ★★★★ VERY GOOD

●4.(邦) 男はつらいよ お帰り 寅さん  <推薦作>  ★★★★ VERY GOOD

●5.パラサイト 半地下の住人 (韓国)  ★★★★ VERY GOOD

●6.フォードvsフェラーリ  ★★★★ VERY GOOD

●7.1917 命をかけた伝令  <推薦作> ★★★★ VERY GOOD

●8.(邦) 十二単を着た悪魔  <推薦作> ★★★★ VERY GOOD

●9.(邦) 思い、思われ、ふり、ふられ <推薦作> ★★★★ VERY GOOD

●10.ソウルフルワールド (ディズニーピクサー)  (アニメ) <推薦作> ★★★★ VERY GOOD

●11.TENET テネット  <推薦作> ★★★★ VERY GOOD

●12.ワンダーウーマン 1984  <推薦作> ★★★★ VERY GOOD

●13.ドクター・ドリトル <推薦作> ★★★★ VERY GOOD

●14.(邦) 犬鳴村 (三吉彩花) ★★★++ GOOD++

●15.(邦) 小説の神様 ★★★++ GOOD++

●16.ハニーランド 永遠の谷 (マケドニア国・アカデミー賞外国語映画賞&ドキュメンタリー賞ノミネート) ★★★++ GOOD++ (単館作)

●17.ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 ★★★++ GOOD++

●18.(邦) 私をくいとめて ★★★+ GOOD+ (単館作)

●19.(邦) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン (アニメ) ★★★+ GOOD+ (単館作)

●20.(邦) 海辺の映画館 キネマの玉手箱 (大林宣彦監督遺作) ★★★+ GOOD+ (単館作)

七草日過ぎの1/9夕暮れ前に初詣に行きました。整列して混雑密を避けての皆マナー良く。お守りも整列して。加えて「鬼滅の刃」お守り。

写真は「2021寅さん記念館ポスター」「「鬼滅の刃」お守り」「ボトルホルダー」「男性の好きなスポーツEP盤」「柴又帝釈天」 (シネマエッグ編集長・記)

更新日  2021年1月10日 年始のご挨拶

読者の皆様、映画配給会社の皆様、今年も宜しくお願い致します。

−ムービーオン編集長・角屋清志−

----------------------------------------------------------------------------------------------------

更新日  2020年12月29日 年末のご挨拶

年内の更新はここまでと成ります。閲覧いただき有難う御座います、また新年も宜しくお願い致します!!

2021年1月10日より新年開始と成ります<2020年公開作ベスト10 他>

−ムービーオン編集長・角屋清志−

更新日 2020年12月29日 2020 シネマエッグ推薦サントラMP3 プラチナ音楽大賞
cinema egg編集室

 ♪MP3リスト『Page.10』

2020年の記事はこちらで最終と成ります。次回2021年1月10日シネマエッグ作品賞・BEST20 でお会いしましょう。

(1) 初詣は、「雑踏を避けて」、参りましょう。

(2) 2021年12月迄、「日本のコロナ疫病・厳戒態勢」は継続。

(3) マスク着用や、収入・支払い等に於ける所に於いての長期での「油断大敵」が必要ですね。

 (4) 中国の最北西部の秘境な山間部で採取したウィルス売り込み下請け企業の社員が「凄いウィルスを見つけた」と、

遠路南部の都市・武漢の国立細菌研究所に飛行機で持ち込んだ処から

今のコロナウイルスが世界へ拡散した報告が発表された所。

読者の皆さま方も是非、御無事で。(シネマエッグ編集長・記)

更新日 2020年12月21日 最近作『マンク』★★★☆
角屋清志

デビッド・フィンチャー 6年振りの新作は「Netflix」製作による「映画人もの」。映画史に革命を起こした傑作『市民ケーン』(41)のビハインドである。

但し主役は『市民ケーン』の監督・主演のオーソン・ウェルズではなくウェルズと共に共同脚本にクレジットされているマンクとハーマン・マンチウィッツ、

あの『三人の妻への手紙』(49)、『イヴの総て』(50)、『裸足の伯爵夫人』(54)の名匠ジョゼフ・マンキウィッツの不肖の兄だ。映画と言う建築物の設計図

を書く重要な仕事でありながら注目される事の少ない脚本家にスポットライトを当てた映画だ。実在した脚本家を主人公とした映画としては

『トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男』(18)に次いで此れが2本目であろう。そして僕としては『トランボ』よりこちらを強く推す。デビッド・フィンチャー 監督

作品としても一番好きだと言ってしまおう。内容的にはかつて'70年代にスキャンダルとセンセーションを巻き起こしたアメリカの批評家ポーリン・ケールの

説を採用している。つまり『市民ケーン』の実質的な脚本はハーマンが執筆し、ウェルズはクレジット泥棒であったと。僕はその説を取らないがともあれ

ウェルズが悪役的に描かれていないのが救いであった。此の映画の脚本は何とフィンチャーの父親の遺稿である。フィンチャーにそんな父親が居たとは

驚きだが、ポーリン・ケールが忘れられた脚本家を復権させた説を具体的に映像化しつつ知られざる自身の父親の存在を顕揚してみせたと言う事か。

実は僕は此の映画を客観的に冷静には語れない。『市民ケーン』は僕のオール・タイム・ベストで在り、作品を巡る様々な情報が頭に入り過ぎているので。

だが映画と言うのは、例えば政治的知識が無くとも政治映画は楽しめるし歴史的知識が無くとも歴史的映画も楽しめるものであるはずだ。

そこで多くの人には最近の映画では『フォードvsフェラーリ』の様な巨大な企業と闘う個人の物語として楽しんで欲しいと願う。ベルトコンベア・システム

の歯車に個人を組み込もうとする大企業と手工業的・職人的な個人のプライドを賭けた闘いの物語。ツボにはまる部分があるはずだ!

ゲイリー・オールドマンが、ウィンストン・チャーチルに続いて愛すべき魅力的な変人を好演している。また彼に主演男優賞を与えたい。

「Netflix」にはいつも優れた作品を有難うと感謝したい。そして完成しているはずのオーソン・ウェルズ の遺作『風の向こう側』を早く観せて欲しいと思う。

11/20(金)劇場単館系ロードショー

12/4(金)Netflix配信ロードショー

MANK (2020) (訳:「脚本家マンク」) (cinema egg)

更新日 2020年12月21日 最近作『 また、あなたとブッククラブで』
水島裕子

北米で『デッドプール2』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に次いで初登場・第3位の大ヒットを記録した話題作だ。まずは、出演者に興味を

惹かれる。ダイアン・キートン、ジェーン・フォンダ、キャンディス・バーゲン、メアリー・スティーンバーシェン。メインの登場人物は、全員がアカデミー賞、

ゴールデングローブ賞受賞の女優だ。平均年齢74歳と言う。70〜80年代のアメリカ映画で活躍し現在もトップ女優である彼女達の初共演作だ。

懐かしい、とも言えるのかどうか判らない。彼女達の映画を昔観たかも知れない。けれど、自分が未だ学生だった頃だから、映画館へ行った回数は

少ない。映画雑誌でその存在を知っていただけかも知れない。ダイアン・キートンの『アニー・ホール』(77)は、愛読していた少女向けファッション誌に

度々登場していたし、キャンディス・バーゲンは、カメラを構えるコマーシャルを幾度も観ていた。既知の仲の高齢女性4人が読書会を続けている。

そこで出会った一冊の本が、其々の人生に彩りを加える。と言う物語に最高のキャスティングをした本作の監督&共同脚本&製作のビル・ホルダーマン

は、'77年生まれだ。ロバート・レッドフォードの映画プロデューサーとして大きな役割を果たしつつ、脚本をしたためて来た。年齢による差別が蔓延る

社会。ハリウッドも例外ではない。そんな認識に囚われるな。克服すべき唯一の障害は、自分の考え方だけだ。と言うメッセージが心強い。

その4人とは、40年連れ添った夫を亡くしたばかりのダイアン。複数の男達との関係を楽しむ会社経営者のビビアン。未だに何十年も前の離婚に苦しんで

いるシャロン。35年目にして結婚生活の危機に直面しているキャロル。「ブッククラブ」と称する読書会を定期的に開いて集まっている。今回、ビビアン

が選んだ本は、世界的に大ヒットした『フィフティ・シェイズ・グレイ』。官能小説だ。始めは難色を示したメンバー達も、徐々に影響を受けて行く。

4人のトップ女優の演技のやりとりを味わいつつも、飲んでいるワインの色についつい目が止まる。赤でも白でもその色の濃淡が各シーン毎に変わって

いるのだ。一体、どういう事なのだろう。そこも見所だろう。冷えたワインが飲みたく成って来る。

12/18(金)ロードショー

ヒューマントラスト有楽町・他にて全国順次ロードショー

BOOK CLUB (2018) (訳:「読書クラブ」) (cinema egg)

第196回シネマエッグ推薦作 (2/2) ソウルフルワールド (ディズニーピクサー) 2020年 12月25日(金)〜  (2020.11.15 RE-new)

・*2021 第93回アカデミー賞 「長編アニメ作品賞」 & 「作曲賞」 受賞!!*   (2021.4.26 new)

・*2021 第78回ゴールデングローブ賞 「長編アニメ作品賞」 & 「作曲賞」 受賞!!*   (2021.3.2 new)

●注意●2020年 12月11日(金)〜映画館公開が世界的コロナ渦拡大に成り、「オンライン有料配信」封切りと成りました。

「ディズニープラス」にて「有料配信」と成りました。入会方法 (新規入会)-> https://disneyplus.disney.co.jp/program/soulfulworld.html

■「スマホ」・「パソコン」・「タブレット」他の端末にての鑑賞と成りました■

ROAD SHOW - 12.25. 17:00 〜 on your FMV or tablet or cell-phone ! IT'S VERY GOOD FILM !

>>CINEMA EGG RECOMMEND NEWLY FILM REVIEW : NO.196  "Disney ・ PIXAR "SOUL""「ソウルフル・ワールド」を観て<<   (2020.12.25 new)

更新日 2020年11月9日 YOUTUBE番組『 週刊S&Mチャンネル〜少女からの蘇生〜』
水島裕子

山東ルシアと私、水島裕子のトーク番組を毎週月曜日22:00配信致します。御覧の程宜しくお願いします。

https://www.youtube.com/channel/UCSUVvAsYLgUmXGtFMX_sMrA

出演・ ゆうこりん & ルーシー

------------------------------------------------------------------------------------

  今後とも宜しくお願い致します。

ービーオン管理者  角屋清志志

------------------------------------------------------------------------------------